<汚染廃棄物>大崎市の試験焼却中止申し立て却下 仙台地裁「理由がない」

 東京電力福島第1原発事故の放射能で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物を大崎市岩出山のごみ焼却施設で試験焼却する事業を巡り、周辺住民が大崎地域広域行政事務組合と大崎市に中止を求めた仮処分申請に対し、仙台地裁(関根規夫裁判長)は26日、申し立てを却下する決定をした。住民側は即時抗告する方針。(20面に関連記事)
 争点の一つで、旧岩出山町時代の1989年に住民組織が環境保全を目的として組合と交わした事前申し合わせの規定について関根裁判長は「機能や設備の変更や住民の範囲について具体的に特定しておらず、差し止め請求の申し立ては理由がない」とした。
 試験焼却が放射性セシウムの外部放出につながり、住民の人格権を侵害するという主張には「受忍限度を超える違法な侵害があるとはいえない」と判断した。
 決定通知書を受け取った住民側は仙台市内で記者会見し、住民組織「上宮協栄会」の阿部忠悦会長(79)は「極めて怒りを感じる。我々の訴えを全く聞いてくれなかった」と述べた。組合管理者の伊藤康志大崎市長は「司法の判断を踏まえ、なお一層の安全性に配慮し、試験焼却を進めてまいります」とコメントした。
 阿部会長らは組合の試験焼却予算の差し止めを求める住民訴訟を起こしており、仙台地裁で係争中。


2019年04月27日土曜日


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