柳美里さんが南相馬にカフェ 「小高から美しくおいしいものを」 書店に併設

リニューアルオープンに向け準備を進める(右から)柳さん、松本さん、和賀さん

 東京電力福島第1原発事故に伴う旧避難区域の南相馬市小高区で、書店「フルハウス」を営む芥川賞作家の柳美里さん(51)が、敷地内に本格的なカフェを併設し、20日にリニューアルオープンさせる。「逆境に置かれた小高区から、美しくておいしいものを発信したい」と柳さんは意気込む。

 書店(約35平方メートル)の前の駐車場部分を昨秋から改装し、カフェや書棚スペース(約25平方メートル)を新設した。東日本大震災で避難所間仕切りシステムを提案した建築家の坂茂さんが設計を手掛けた。
 カフェではコーヒー、紅茶のほか、韓国伝統茶4種や自家製シロップドリンクを提供する。福島牛を使ったソースのパスタやクリームシチューなどフード類、デザートも含めメニュー40種近くと充実させる。
 スタッフは、福島県広野町の短大生松本彩華さん(20)と同県富岡町の主婦和賀薫さん(48)ら。図書館司書の資格があり、今春卒業する松本さんは「フルハウスで学び、7年以内に広野町で自分の本屋を開きたい」と話す。
 宮城県に避難していた和賀さんは、長女がふたば未来学園高(広野町)に入学するのを機に家族と富岡町に戻る。かつて母親らが大熊町で食堂を営んでいたことから「お手伝いしてみたい」と飛び込んだ。
 柳さんは「小高区は原発事故で汚染地帯のレッテルを貼られた。それを剥がすのは難しいが、一人一人できることから始めたい。小高からひらいていく、つながっていくということを大事にしたい」と話す。
 フルハウスは2018年4月開店。書店併設のスペースで多くの作家とのトークショーのほか、地元住民らもキャストに用いた演劇公演を行ってきた。
 営業は午前11時〜午後7時(カフェは通常午後5時まで)。日曜、月曜休み。


2020年03月19日木曜日


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