処理水を放出前に大幅希釈 東電が処分素案 福島第1原発

東京電力福島第1原発

 東京電力は24日、福島第1原発構内でたまり続ける処理水の処分方法に関する検討素案を公表した。処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を、国の基準を大幅に下回るまで希釈した上で、海洋か大気に放出する。廃炉が終了する2051年までに処分を完了する方針も盛り込んだ。
 政府は4月6日、自治体や業界団体などから意見を聞く会合を福島市で開催する予定。東電は政府から、会合前に素案を示すよう求められていた。政府は会合を複数回重ね、処分方法を決める。
 素案は海洋と大気への放出について、それぞれの具体的な処分内容を明記。海洋の場合、トリチウムの濃度は国の基準の40分の1に相当する1リットル当たり1500ベクレルまで希釈する。第1原発構内の地下水バイパスで運用している基準と同レベルだという。大気放出も、海洋放出と同程度まで希釈する。
 構内のタンクには、トリチウム以外の核種も除去できずに残っている。東電は基準を下回るまで二次処理する方針。新年度の後半に高濃度の処理水約2000トンを多核種除去設備「ALPS(アルプス)」を使って試験処理する。
 素案には風評被害対策の方針についても記載。取り組みを重ねても風評被害が生じる場合は「適切に賠償対応する」としたが、具体策は示さなかった。
 第1原発にはアルプスで取り除けないトリチウムなどを含む水が119万トンあり、構内の979基のタンクにたまっている。東電は137万トンまでため続ける計画で、22年夏ごろに満杯になるとされる。


2020年03月25日水曜日


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