震災と報道の在り方探る 「災害とメディア」研究会、気仙沼など視察

宮城県南三陸町の宇津野高台で麻生川さん(後方右)の説明を聞く参加者=23日

 宮城県内の新聞や放送、若手研究者、行政機関などの一線担当者らが参加する「みやぎ『災害とメディア』研究会」は23日、第5回例会を開き、災害報道の在り方を議論するため気仙沼市や南三陸町で視察と研修を行った。
 参加者40人は気仙沼市波路上を訪れ、3月10日開設に向けて整備中の気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館で、遺構の気仙沼向洋高を見学。地福寺で片山秀光住職(79)の話も聞いた。片山住職は「この地域は津波被害を受けたが、海の恩恵も受けてきた。海を嫌わず、あの日を思いつつ海と共に生きていく」と語った。
 南三陸町では戸倉小跡地近くの宇津野高台などで、震災当時校長だった麻生川敦さん(61)から避難状況の説明を受けた。麻生川さんは「他の先生の勧めもあり、この高台まで逃げたが津波が押し寄せ、さらに高い場所に逃げた。避難しても油断は禁物だ」と訴えた。
 宿泊先の南三陸町の「ホテル観洋」では、災害と報道を巡る最新事例報告と意見交換会が開催された。世話人で東北大災害科学国際研究所の今村文彦所長は「今回の研修は震災を改めて振り返る良い機会になったのではないか。私たちは震災の教訓を忘れずに伝えていかなくてはならない」とあいさつ。意見交換では今村所長らを中心に、立場を超えて議論を重ねた。
 視察と研修は24日もあり、石巻市の「雄勝ローズファクトリーガーデン」や市が2018年5月に開設した防災センターを訪れる。
 研究会は、産学官民と報道機関の連携組織「みやぎ防災・減災円卓会議」の派生組織として18年1月に発足した。今年1月現在、県内の報道、研究、行政など21機関・団体83人が登録。年4回の例会を開き、災害犠牲や混乱を繰り返さないための報道、情報共有の在り方を議論している。


2019年01月24日木曜日


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