<むすび塾>高知新聞社と共催 「避難を最優先に」宮城の被災者、高知で強調

被災体験を聞く会で、震災の教訓と備えの大切さを参加者に訴える被災者ら=1日夜、高知市のオーテピア高知図書館

 防災キャンペーン「いのちと地域を守る」に取り組む河北新報社は1日、高知新聞社(高知市)との共催で「東日本大震災を忘れない〜被災体験を聞く会」を市中心部の「オーテピア高知図書館」で開催した。浦戸湾に面する高知市は南海トラフ巨大地震で津波襲来が予測されており、震災被災者ら4人は約230人の来場者に「平時から備えを進め、地震が起きたら逃げることを最優先にしてほしい」と呼び掛けた。

 宮城県南三陸町出身で震災時、中学2年生だった東北福祉大4年三浦貴裕さん(22)は避難先で人命救助に当たった一方、祖父母曽祖母が犠牲になったことに触れ「震災で命の尊さを痛感した」と力説。「訓練を地域で繰り返し意識付けを図ってほしい」と訴えた。
 同県松島町のカフェ兼菓子店経営千葉伸一さん(44)は海が近い観光地の被災について言及。「地震後、まず店の客と従業員を近くの瑞巌寺の施設に避難させた。家に帰りたいという従業員も安全が確認できなかったので帰さなかった」と振り返り「店舗でも地域でも命があれば再生はできる。とにかく安全な場所に逃げよう」と強調した。
 石巻市の日本料理店「八幡家」のおかみ阿部紀代子さん(57)は「震災を教訓に同業者らと客を想定した飲食店の避難訓練を2度実施した。命を守る取り組みが広がってほしい」と話し、「もし災害が起きても備えておけば街の再生に生かせる。不安な点の話し合いからでも始めて」と提案した。
 東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は「被災者の生の声を聞き、学びを深めることは備えとして有用だ。ぜひ東北の被災地も見てほしい」と助言した。
 2日は震災被災者ら4人も参加し、高知市中心部の日本料理店「土佐料理・司(つかさ)」で利用客を想定した模擬避難訓練をした後、オーテピアで防災ワークショップ「むすび塾」を開く。


2019年02月02日土曜日


先頭に戻る