車椅子で素早く避難 東松島の特養、階段にスロープ 身近な材料使い3分で設置

手作りしたスロープを使い、2階への車椅子避難を体験する職員ら

 宮城県東松島市赤井の特別養護老人ホーム「やもと赤井の里」は、東日本大震災の教訓を基に車椅子のまま階段で避難できる木製の簡易スロープを導入した。防災活動に取り組む関西の研究グループが考案し、身近な材料を使って約3分で設置できる。災害時の避難の迅速化が期待される。

 近畿経済産業局の元職員らでつくる自主研究会「夢創造の会」(兵庫県西宮市)が3月28日に赤井の里を訪れ、設置を支援した。
 簡易スロープは脱輪防止の機能を取り付けた幅18センチ木材を2枚用意し、車椅子の幅に合わせて階段に埋め込んだ金具にベルトで固定して設置する。長さは階段の構造に応じ、重さは最大でも1枚10キロ。材料はホームセンターなどで1組1万5000円程度で用意できる。通常は壁に立て掛けて固定し、持ち運びも可能。
 赤井の里は、夢創造の会の指導で鉄筋コンクリート2階の施設の階段に設置した。車椅子利用者を2階に上げる際、3、4人がかりで5分ほどかかったが、スロープで押し上げると1分程度で済んだ。
 土井孝博施設長(37)は「介護職は女性が多く、限られた職員で迅速に避難するにはスロープが役立つ。地域の避難拠点としても心強い」と話す。
 夢創造の会は全国の高齢者施設や支援学校への普及を進めている。代表世話人の川端俊次さん(69)は「一刻も早い屋外避難が求められる火災時でも有効。石巻地方で広く役立ててほしい」と呼び掛ける。


2019年04月12日金曜日


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