気になる症状 すっきり診断(15)月経不順と子宮がん

イラスト・叶  悦子

◎病巣潜んでいる場合も/婦人科科長新倉仁特命教授

 一般の方がよく「生理不順」と言うことがあります。生理という言葉は医学的には「月経」が正式な言い方です。月経が不順だという表現の中にはいろいろな意味が含まれているようです。本来の月経が不順というのは、不規則月経で排卵がうまくいかないなど、ホルモン的な異常を意味することが多いと思います。

<年齢で種類に差>
 例えば、不規則な月経周期と言った場合、どこからが異常なのでしょうか? 一般に周期が24日以下の場合には頻発月経、39日以上の場合には希発月経という呼び方をして、月経周期に異常があると考えます。
 しかし実際には月経が不規則なのか、月経と区別のつかない不正出血があるために月経周期が短くなっていると感じるのか、判断の難しい例があると思います。特に性成熟期(20〜40代)以降では、月経周期の異常の原因として婦人科のがんが潜んでいる場合もあります。
 性成熟期の女性で不正出血を伴った月経異常を自覚する場合には、排卵の異常や子宮筋腫など良性疾患が原因であることが多いものの、子宮の入り口にできる子宮頸(けい)がんの可能性も考える必要があります。本来は、頸がんワクチンの接種による予防、あるいは症状のないうちに子宮頸がん検診を受けて発見できればよいのですが、検診を受けていない場合には特に早めの婦人科受診をお勧めします。
 月経がなくなる閉経年齢は平均で約50歳です。ただ、個人差が大きく40代前半で閉経される方もいます。閉経の前後5年間を更年期と呼びます。更年期に入ると、月経が長引いたり、逆に出血量が少なくなったり、周期が早まったり、不正出血があったりという経験は誰もがします。
 そのため、年齢のせいだろうと様子を見ている方が多いかもしれません。ほとんどは加齢から来る卵巣機能の低下が原因ですが、更年期の月経の異常は子宮の奥の方の子宮体部に発生する子宮体がんの重要なサインである場合もあり、注意が必要です。

<早期発見が大切>
 このように年齢によってかかりやすいがんの種類は異なりますが、子宮頸がん、子宮体がんともそれぞれ子宮の頸部、体部に器具を入れて細胞診や組織診と言われる検査をすることで診断できます。どちらのがんも早めに発見し、子宮にとどまっている状態であれば十分に完治可能です。
 東北大病院では、手術の影響で足がむくむことを防ぐための新しい手術法のほか、患者さんへの負担を少しでも減らし早期の回復が図れるように、腹腔(ふくくう)鏡下手術やロボット支援手術などの新たな治療にも取り組んでいます。


2017年10月06日金曜日


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