気になる症状 すっきり診断(42)歯茎がブヨブヨしたら

イラスト・叶  悦子

◎早期発見で歯周病治療/歯周病科科長 山田聡教授

 歯周病は、歯と歯肉(歯茎)との境目に付着した細菌の塊(歯垢(しこう)・デンタルプラーク)が原因となって起こる病気です。歯槽骨(歯を支える骨)が溶けて、歯が抜けてしまうほどの重症になるまでには、何年もかかります。最初のうちは、ほとんど自覚症状がありません。歯肉が腫れて痛んだり、歯がぐらついて食べ物がかみづらかったりといった自覚症状が出てきたときには、かなり進行した状態になっており、抜歯が必要なこともあります。従って、歯周病を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。

<鏡で歯肉を観察>
 そこで、自覚症状が出る前に、ご自身で歯周病をチェックすることをお勧めします。まず、鏡で歯の生え際の歯肉を観察してください。炎症のない健康な歯肉は淡いピンク色をしています。歯周病による炎症のある歯肉は、深い赤色になっていることがあります。また、健康な歯肉はなだらかに歯と接していますが、炎症があると歯肉が腫れて少し丸く盛り上がったように見えることがあります。次に、歯肉を指で押してみて、もし、ブヨブヨとしていたり、指で押すだけで歯肉から出血したりするようであれば、歯周病の可能性があります。さらに、歯と歯肉の境目から白い膿(うみ)のようなものが出てきたら歯周病の炎症が進んでいるかもしれません。セルフチェックで気になる点が見つかったら、かかりつけの歯科の受診をお勧めします。

<基本は歯を磨く>
 歯周病の治療を成功させる上で最も基本的かつ大切なことは、デンタルプラークの除去(プラークコントロール)を確実に行うことです。そのために、歯周病治療の開始に当たっては、患者さん自身でプラークコントロールを行うための歯ブラシ指導(ブラッシング指導)と、歯石(デンタルプラークが石状に固まったもの)の除去を行っていきます。短期的には効果が見えにくいブラッシング指導ですが、普段の生活の中で、患者さんによるプラークコントロールがちゃんとできなければ、歯科で歯周病の治療を受けたとしても、その効果はなかなか上がりません。ブラッシングこそが、歯周病治療の最も重要な部分となるのです。
 一方で、歯を支えている骨の形がいびつになっている場合などには、プラークコントロールが十分にできない場合があります。このような場合には、歯周外科処置という歯肉を外科処置により治す方法があります。さらに、最近では、健康保険で治療を受けられる日本発・世界初の歯周組織再生誘導治療薬リグロスを用いた新しい歯周組織再生治療も開発されました。このような歯周外科処置については、日本歯周病学会専門医の診察を受けてみることをお勧めします。


2018年11月16日金曜日


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