<ツール・ド・東北>古里再生思い描きペダルこぐ 石巻で自宅流失の鈴木さん

声援に応えて笑顔でスタートする鈴木さん=15日午前9時ごろ、石巻専修大

 仙台市宮城野区の会社員鈴木峻一さん(31)は、初日に完走したアップダウンの激しい「牡鹿半島チャレンジグループライド」(100キロ)に続き、16日に「北上フォンド」(100キロ)に挑む。震災の津波で流された石巻市雄勝町の自宅跡前がルートになっており、復興の希望を胸に走破を誓う。
 「古里の風景はすっかり変わってしまった」
 地震発生時は自宅にいた。同居する母親と車で、約2キロ離れた国道398号の釜谷峠の駐車場に逃げた。翌日には父親と合流。同じように避難してきた飲料メーカーの営業車の商品をもらうなどして苦境をしのいだ。
 「救援を待つしかなかった。本当に長く感じた」。救助隊が到着するまで約1週間、峠にとどまった。
 この夏の盆、津波で亡くなった友人らの墓に手を合わせるため雄勝に入った。高台に整備された住宅地を見て復興の歩みを感じたが、周辺にかつてのにぎわいはなかった。
 自宅跡と周囲は更地のまま。近くにあった雄勝小は移転し、跡地にはソーラーパネルが立ち並んでいる。
 「7年半の歳月を感じるが、このまま廃れてほしくはない」。地元を離れた自分は何かできるだろうか−。16日は雄勝の再生を思い描きながらペダルをこぐ。


2018年09月16日日曜日


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