特集

<伝えたい戦争体験>病院を襲撃した敵機

笠原悦子さん

◎仙台市青葉区・詩吟会長 笠原悦子さん(91)

 総婦長として赴任した気仙沼の病院で手術中に敵機に襲われ、室内に機関銃を撃ち込まれました。患者の頭上を弾が通過し、窓越しに青い目の兵士がこちらを狙うのがはっきり見えました。すぐに手術を再開したものの、生きた心地がしませんでした。内科診察中に襲われたことも。病院は攻撃禁止のはずなのに…。悔しい思い出です。
 物不足で手術時のせっけんさえ事欠き、食事も貧しく、かっけになった看護師が多くいました。苦しんで部屋を転げ回っていた光景が忘れられません。同僚に食べさせたくて中新田(現宮城県加美町)の実家からリュックにコメを詰め戻る途中、駅で警察に没収されました。今もリュックが嫌いです。
 これまで戦争体験を語ったことは一度もありません。先月に仙台市泉区であった「語り継ぐ会」で初めて機会を得て、胸がすっとしました。生きているうちに話せてよかった。


2015年08月10日月曜日


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