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<伝えたい戦争体験>銃弾受け九死に一生

◎宮城県涌谷町・無職桜井栄一さん(95)

 1942年3月に陸軍に入隊し、間もなく中国大陸へ渡りました。44年にベトナムに移り、中国軍の銃撃を受けて負傷しました。銃弾は、右腕の後ろから心臓脇に達し、少しずれていたら命はなかったはずです。
 中国駐留中に敵の密偵が捕らえられ、処刑されました。体を十字架に縛り付け、目隠しをして銃剣で刺すのです。隊内きっての暴れん坊が任されましたが、生きた人間を目前にし、ぶるぶる震えて動けないのを古参兵が手を貸して、ようやく成し遂げました。
 非道な話ですが、殺さなければわれわれが殺されるのです。戦争は人間同士の殺し合いです。良いことは一つもありません。二度とあってはならないのです。
 病院で終戦を迎え、46年4月に復員。焼け野原になった東京や仙台を目にし、出征した時と変わらない涌谷の自宅に着いた時には、思わず涙が出ました。


2015年08月13日木曜日


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