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<伝えたい戦争体験>砲弾 敵機に当たらず

鈴木弘治さん

◎宮城県亘理町・無職 鈴木弘治さん(90)

 1944年10月に19歳で召集され、東京の高射砲部隊に配属されました。砲手として襲来するB29を撃墜することが任務でした。
 その年の12月から終戦直前まで、ほとんど休みなく一晩4回の戦闘が続きました。敵機襲来を伝えるベルが兵舎に鳴ると、食事中でも入浴中でも急いで高射砲陣地へ駆け出しました。一番遅かった部隊の初年兵には、上官のビンタが待っていたので必死でした。
 高射砲の形式が古く、砲弾を発射しても上空を速く飛ぶ敵機にははほとんど当たりませんでした。迎撃に向かう友軍機もほとんど見なかった。戦争に行くのは当然で、生きて帰れない覚悟はありましたが、これでは日本が勝つなんてとても思えませんでした。
 終戦を迎え、死なないで帰郷できることにホッとしました。ただ、同郷の戦友が前日夜に秋田で空襲の犠牲になったのが残念です。


2015年08月15日土曜日


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