うたの泉(973)死者は青き海底(みゅう)に行くとぞ海底を抜け また人の世に生まれ来るとぞ/伊良部喜代子(いらぶ・きよこ)(1950年〜)

 作者の出身は沖縄。沖縄では死者は青い海底に行き、海底を抜け、人の世に生まれて来ると言われているようです。<神々の大いなる庭あおあおとただ青々と海はみなぎる>という歌もあり、自然や死者の魂に寄せる敬虔(けいけん)な気持ちがにじみ出ています。沖縄の人々の死生観と海との深くて強い結び付き。沖縄戦で失われたあまたの命を思うと悲しさが募ります。青という色の美しさ。「海底(みゅう)」という土地言葉の切ない響き。明日は沖縄慰霊の日です。(本田一弘)


2019年06月22日土曜日


先頭に戻る