うたの泉(977)さまざまな契機をつかみかつのがし 手はふたひらのあやめのごとし/三枝昴之(さいぐさ・たかゆき)(1944年〜)

 きょうは「菖蒲(あやめ)華(はなさく)」。アヤメの咲き始める頃とされています。すっきりとした姿のアヤメはとても美しく。作者はアヤメから「手」を想起しました。上句のリズムがはきはきと響きます。第三句「かつのがし」から、表裏一体となっている物事を悲観せずに捉えている作者のおおらかな姿が映し出されます。いろいろあったけれど、俺の手はアヤメみたいだと眺めている。自分の手を花のようだと見る視点、客観的で、余裕あるユーモアが漂います。
(駒田晶子)


2019年06月27日木曜日


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