うたの泉(980)ヤマモモを踏む ぐだぐだの 梅雨である 足裏に世のどす黒さ染む/紀野恵(きの・めぐみ)(1965年〜)

 ヤマモモは関東より西に多く植えられていて、赤透明のビーズをちりばめたような実を付けるようです。一首の中に1字空けが2か所。第二句の途中「踏む」の後に一呼吸。第三句(上句)で一呼吸。ヤマモモを踏んだ自分。梅雨の空、または雨模様を見上げる。踏んでしまった足裏を確認する。作者の目と気持ちの動きが、1字空けによりリアルに伝わります。「ぐだぐだ」「世のどす黒さ」の響きには、鬱屈(うっくつ)より滑稽さがにじんでいるような。(駒田晶子)


2019年06月30日日曜日


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