うたの泉(991)この家ぬちわれがうごくも背(つま)がうごくも 何かさやさやうたへる如し/若山喜志子(わかやま・きしこ)(1888〜1968年)

 この家の中で私が動いても夫が動いても何かがさやさやと歌っているようです。結婚して2人で暮らし始めたばかりの明るくて甘やかな気分がリズミカルに詠まれました。どんな物音も新婚生活のBGM。新妻としての幸せがお裾分けされたように感じます。「背」は若山牧水。今でも愛唱される数々の歌を作った人ですが旅に出ることが多く、後に作者に<汝が夫(つま)は家にはおくな旅にあらば命光るとひとの言へども>と歌われています。(本田一弘)


2019年07月13日土曜日


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