うたの泉(998)縁側の広き農家を子らは恋ふ われは空いろのペンキの家/花山多佳子(はなやま・たかこ)(1948年〜)

 子供たちは首都圏で生まれ育ったので農家の大きな家をすごいと思っているという。理由の一つに縁側が広いことが挙げられています。縁側から見上げる空や、外に接している開放感などに憧れるのでしょう。親のほうは「空いろ」に塗られたかわいらしいロマンチックな家に憧れていて、その対照がユニークです。子供たちは<水筒にのこる麦茶を姉弟(あねおと)が頒ちて飲めり夕餉の卓に>とうたわれています。外出の余韻を名残り惜しんでいるのです。
(梅内美華子)


2019年07月23日火曜日


先頭に戻る