うたの泉(1068)いきどほりかそかに過ぎてわが心 すがすがしかも白菊の花/岡本かの子(おかもと・かのこ)(1889〜1939年)

 怒りが湧き上がってきてしまうこと、あります。ワーっとなりそうな感情を必死に腹の奥に抑え込む。それでも、気持ちを切り替えられないときもあります。掲出歌の作者も何かあったようです。「かそか」は手元の辞書には載っていませんが「幽(かそけ)し」が変化した言葉かと思いました。憤った時間は少し過ぎ、目の前の白菊の花はすがすがしいなあ、と眺めている。「白」がいい。まっすぐに伸び、花を咲かせる菊。菊の花が美しい季節となりました。(駒田晶子)


2019年10月13日日曜日


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