うたの泉(1383)きりぎりす夜寒に秋のなるままに よわるか声の遠ざかり行く/西行(さいぎょう)(1118〜1190年)

 虫の声は季節を教えてくれます。暑い日が続く中で虫の声を聞くと秋の訪れを感じますし、いつの間にか、虫の声がか細く、そして聞こえなくなり、冬へと移ってゆくのです。掲出歌の作者西行が生きたのは平安時代末期から鎌倉時代初期。「よわる」「きりぎりす」から、800年前の人も、虫の声に季節を感じていたのですね。800年間も変わらないものは、今どれくらい残っているのでしょうか。今夜は耳を澄ませましょう。『新古今集』より。
(駒田晶子)


2020年10月18日日曜日


先頭に戻る