<とびらを開く>自分事で考える平和 長崎の語り部から学ぶ会

昨年の学ぶ会の様子。戦争経験を引き継ぐさまざまな資料を展示している
学ぶ会の展示の一つ。参加者が気付き、考えたことを知ることもできる

 1945年7月10日、仙台市中心部で米軍による空襲が行われ、多くの人が犠牲となりました。終戦から74年がたとうとする中、戦争体験を語れる人が少なくなっています。今まさに過ちを繰り返さないよう、未来へ引き継いでいくことが必要です。

 仙台市や多賀城市でそうした活動をしているのが「長崎の語り部から学ぶ会」。「西から魔女がやってきた」と題し、長崎から来た語り部に戦争体験を話してもらったり、戦争の様子や当時の暮らしが分かる資料を展示したりしています。

 会を始めた奥村志都佳(しずか)さんは仙台市在住、長崎市出身。奥村さん自身は戦争を体験していませんが、長崎に住んでいたことで戦争や平和について身近な問題として考えてきたそうです。

 仙台に引っ越し、原爆投下から復興した長崎と、空襲を経験し、東日本大震災震災からの復興を進める仙台に共通するものを感じた奥村さんは「体験はしていなくとも自分にできることを始めよう」と2017年に活動を開始しました。

 参加者からは「学校では学べないことを知ることができた」「次の世代が引き継ぐことで平和が続いていく」という声が上がっています。戦争を体験した方からは「展示で見るよりも戦争はずっと恐ろしい。もっと真剣に考える場でないといけない」といった意見もありました。

 奥村さんは何かを訴えたいのではなく「参加した人が想像したり、考えたりするきっかけづくりを大切にしている」そうです。

 年代や立場、住んでいる場所によって感じ方、考え方はさまざま。みんなが「自分事」として想像や考えを巡らしていくことに意味があるのだと思います。
 決して戦争を昔起こったことと終わらせず、きちんと未来へつないでいかなければなりません。
(特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター 櫛田洋一)

◎今後の行事予定

 ◆第3回西から魔女がやってきた 平和を語る物語〜二畳間からのおくりもの〜(7月13〜15日午前10時30分〜午後3時30分、多賀城市市民活動サポートセンター2階・3階フリースペース)
 DVD上映やパネル展示、戦後の生活道具の展示・体験など。入場無料。

 ◆二重被爆 語り部山口彊の遺言 仙台上映会(7月28日午後1〜4時、仙台市青葉区・せんだいメディアテーク7階スタジオシアター)
 原爆を2度経験した語り部の映像や朗読会、パネル展示など。入場無料。
 いずれも連絡先は長崎の語り部から学ぶ会・奥村さん080(1805)0702。


2019年06月17日月曜日


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