<NPOの杜>就労と居住に新たな形 古民家・空き家活用最前線

古民家を利用した「びすた〜り」。障害者らが働くレストランは「優しい味」と評判
シェアハウスでは菜園で収穫した野菜を使う鍋パーティーも開かれる

 仙台市太白区長町の古民家レストラン「長町遊楽庵びすた〜り」。連日予約客でにぎわう人気レストランです。障害者が自立して働ける環境を目指す就労継続支援A型事業所として、NPO法人ほっぷの森(仙台市)が運営しています。
 「びすた〜り」とは、ネパール語で「ゆっくり」の意味。古民家を改修し、2008年に開店しました。
 築130年の歴史を感じさせないほどおしゃれな外装ですが、中は柱や神棚があり、古民家の面影を残しています。しっくい壁の改修は、その後に働くことになる障害者自身も仕上げを手伝いました。豊かな模様は、描いている時の楽しさを連想させてくれます。
 びすた〜りでは、知的や発達、高次脳機能などさまざまな障害のある職員が働いています。スタッフの特性を生かしながらお客さまをもてなす料理は「優しい味」と評判です。
 「長町副都心」としてますます発展していく地域にとって、こうした古民家は貴重な存在。「これからも残したい」という思いがこもった成功事例と言えるでしょう。
 仙台市内では空き家を改修し、シェアハウスを運営する団体もあります。「つながり」をキーワードに東日本大震災後の復興まちづくりに取り組むNPO法人つながりデザインセンター・あすと長町(つなセン)です。
 太白区長町南にある築44年の2階建て一軒家は、震災以降空き家でした。つなセンは建物を借り受けて改修。昨年12月、シェアハウスとして運営を始めました。
 4.5畳〜10畳が計5部屋あります。家賃は2万8000〜4万2000円。台所、リビング等の共用スペースに電家製品利用、水光熱費(ネット接続込み)を含んだ共益費は1万5000円です。各自、自由に暮らす場になりますが、つなセンは「住人同士が緩やかにつながってほしい」と願っています。
 大きな特徴は菜園があること。団体主催の交流イベントも開催し、人が集まる場所にもなってきました。土いじりをしていると、地域の人が声を掛けてくれるなど、地域のコミュニケーションの場としても活用していけそうです。
 ただ、現在の入居者は30代の方が1人。「仙台では比較的新しい住まい方。暮らしがイメージしにくいため、なかなか浸透していないのではないか」と事務局長の宮本愛さん。これからシェアハウス専用のサイトなどを使って募集の広報に力を入れていく予定です。
 全国に広がる空き家問題。NPOもそれぞれの活動目的に合わせながら、空き家対策の一翼を担っています。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 丹野伶菜)

NPO法人ほっぷの森
022(797)8801
http://hop-miyagi.org
NPO法人つながりデザインセンター・あすと長町
080(3205)5177
http://www.tsuna-cen.com


2019年07月08日月曜日


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