<NPOの杜>農村再生へ学生が奮闘 一般社団法人リルーツ

地域の人たちと農作業に励む学生たち
リルーツが開催している「わらアート」の展示を楽しむ人たち

 東日本大震災で津波による大きな被害を受けた仙台市沿岸部。若林区の沿岸部などで活動している団体があります。大学生が中心となっている一般社団法人ReRoots(リルーツ)です。学生たちは「農村地域での農業と農村の再生を目指す」と被災地支援を続けています。
 巨大地震直後、東北大川内キャンパス(青葉区)の学生が避難した近くの川内コミュニティセンターでボランティア活動したのが始まりです。
 取り組みはその後、沿岸部に移りました。がれきが散乱して手つかずの農地と農家、農業を再生する取り組みに乗り出しました。
 今では野菜の生産から販売、地域づくりまで、さまざまな試みを展開。9〜12月に稲わらで作った作品を展示する「わらアート」なども開催しています。
 東北大をはじめ宮城県内の大学の学生60人が、ボランティアとして継続的に活動。週1回のミーティングを重ね、土日のイベントなどに参加しています。
 一般の学生たちがアルバイトなどに時間を費やす中、なぜ、これほど多くの若者たちが被災地支援を続けているのか知りたいところです。
 埼玉県出身の東北大農学部4年大石和樹さん(21)は活動4年目。借りた土地で野菜栽培に関わっています。
 「ボランティア活動を探している時、最初に見つけたのがこの団体。農学部でもあり、農業支援ができると決めた」と大石さん。「壁に当たることもあるけれど、地域の力になることには大きなやりがいがある。おいしい野菜を食べられるのも魅力」と笑顔を見せます。
 2年目で福岡県出身の東北大理学部2年塩塚成さん(19)は大学の新入生向けボランティア体験ツアーで若林区を訪れ、農村の風景や地域柄にひかれたそうです。
 市民農園で畑の管理と野菜栽培を担当。「地域の課題を分析し、解決策を考えて実行する。一連の過程を体験できるのは勉強になるし、その活動に反応が返ってくるのはとてもうれしい」と言います。
 この市民農園を所有する1人暮らしの高齢者は最初、あまり関わらなかったものの、最近は活動を見守り、話し掛けてくれることも増えたそう。近隣の住民と話す機会も多くなり、野菜を譲り受けたりもしています。
 塩塚さんは「近くに暮らす方々と接するようになって相手の立場に立って考えると、心の苦しみが分かる。寄り添いたい気持ちが強くなる」と活動を続ける理由を話します。
 リルーツ代表の広瀬剛史さん(45)は「いかに相手の視点で考えられるか、物事を現実として捉えて分析し、解決法を自らが考えることで学生は成長する」と見守っています。
 学生から多く聞いた「相手の立場になる」という言葉。大学生ボランティアがその視点に立てた時は、地域コミュニティーの内側に入った時ではないでしょうか。地域のコミュニティーを構成する一員として活躍し、成長できたと感じることこそが、大学生がボランティアを続ける秘訣(ひけつ)かもしれません。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる インターン・宮城大3年 桜田悠)


2019年11月25日月曜日


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