<NPOの杜>SDGsとNPO 貧困対策、身近な活動を

2030年までの実現を目指す17の目標

 目にすることが多くなった「SDGs」。「Sustainable Development Goals」の頭文字を取ったもので、エス・ディー・ジーズと読みます。一体、何のことでしょうか。

 2015年9月、国連のサミットで全加盟国により採択された「持続可能な開発目標」です。合意文書「私たちの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」には、30年までの世界目標として、17のゴール(目標)と169のターゲットが記載されました。
 例えば、1番目の目標は「貧困をなくそう」。そこには「30年までに貧困状態にある全ての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる」など、五つの具体的なターゲットと指標が示されています。
 日本でも7人に1人が貧困にあえいでいます。母と子のひとり親世帯に限れば、半数以上が貧困に苦しんでいます。
 その先には教育の機会を失うことで起こる貧困の連鎖、女性を取り巻く社会環境といった問題があります。こうした状況を見ると、貧困削減は、目標4「質の高い教育をみんなに」や、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標10「人や国の不平等をなくそう」などと相関関係にあります。
 目標達成を目指す活動は既に身の回りにあります。
 例えば、仙台市のNPO法人の「アスイク」や「STORIA」(ストーリア)は東日本大震災の発生以降、貧困家庭の子どもを対象に学習支援や食事提供に取り組んでいます。
 「夜まわりグループ」や「萌友」による「路上生活者への食事提供」は、活動開始からもう約15年になります。目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」などにも当てはまる活動です。
 「ふうどばんく東北AGAIN」(富谷市)は廃棄されそうな食品の寄付を受け、生活困窮者らに届けています。活動は食品ロスの削減になり、目標12「つくる責任、つかう責任」にもつながります。
 つまり、NPOはずっと前から、世界的なゴールを目指してきたというわけです。そこに国連がSDGsとして課題を整理したことで、さまざまな団体が解決へ取り組みやすくなった−というのが現状です。
 経団連は17年秋、「企業行動憲章」を改定し、企業トップにSDGsに対する意識を強めるよう促しました。
 政府も18年から、自治体の優れた取り組みを提案する都市を「SDGs未来都市」に選び、強力に支援しています。
 初年度に選定された東松島市は「住み続けられるまちづくりを」(目標11)を掲げ、「全世代グロウアップシティ東松島」を提案。現在は企業と連携して「人口減少を食い止め、地域社会・経済を成長軌道に乗せること」を目指しています。
 SDGsが目指すのは「世界の貧困をなくす」ことと「持続可能な世界を実現する」こと。ともにすぐに解決するようなことではありませんが、市民やNPOが小さな取り組みを継続することが大きな変化につながると確信します。

 日本のSDGsの現状などについては、国内のNPOなどのネットワーク組織「一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク」が『そうだったのか。SDGs』を発行しています。詳細はサイト(https://www.sdgs-japan.net)をご覧ください。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 大久保朝江)


2020年02月03日月曜日


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