<NPOの杜>地域の健康づくり実践 一般社団法人りぷらす

デイサービスで行われている密を避けながらのリハビリ

 新型コロナウイルス対策で「新しい生活様式」への適応を求められている今、各地のNPOもまた新たな組織運営の在り方を模索しています。石巻市と登米市で活動する「一般社団法人りぷらす」の橋本大吾さん(代表、理学療法士)に話を伺いました。
 東日本大震災後、沿岸部を中心に宮城県内各地で多くの方の健康状態が悪化し、高齢者の要介護認定率も増加しました。地域での活動や介護サービスが中断し、虚弱化や要介護化が進んだのです。
 2013年、「子どもから高齢者まで病気や障害の有無にかかわらず、地域で健康的に生活し続ける事が出来る社会を創造すること」を理念に「りぷらす」を設立。活動の基盤は、リハビリ型デイサービス「スタジオぷらす石巻/登米」。利用者に生活機能回復のリハビリを提供したり、社会的役割を持って自分らしく生きることを実現するサポートをしたりしています。
 住民自らが健康を学び、地域で体操教室などを実践する「おたがいカラダづくりサポーター(おたからサポーター)」の育成なども行っています。
 コロナ禍の広がりとともに、橋本さんはまず、職員と利用者の命を守るための対策案をいち早く明文化しました。関係者に濃厚接触者や感染者が発生した場合の感染拡大レベルをA−Dに段階分けし、職員や利用者が取るべき対応や経営判断などの指標を整備しました。「感染は台風のように時間差で迫ってくる。根性論や精神論ではなく、しっかり方針を決め、備えておくことが重要だと思った」
 一方で、「震災後以上に健康状態の影響が出るだろう」という危惧もあります。大都市での感染状況をテレビなどで見て怖くなり、活動を自粛し過ぎてしまう利用者もいたそうです。
 「心と体を動かすことが大事、都市部と同じではなく地域に合った対策やできることを続けていこう」と呼び掛けています。例えば畑作業。植物などの生物と触れ合い、身体を動かすことで社会的孤立を防ぐことにつながるのではないかと考えています。
 コロナ禍以前から準備をしていた要介護者の自立支援促進のための学習プログラム配信システム「Re Learn」も、「新しい生活様式」に対応できる取り組み。支援者に向けてオンラインで学習、研修などの機会提供を行います。「遠隔地にも同様のプログラムを配信することができ、誰でも主体的に学ぶことができる」と橋本さん。
 実践してきた「住民自身が担う地域づくり」の中に、コロナ禍を力強く乗り越えるためのアイデアが詰まっていると感じました。
(宮城県サポートセンター支援事務所 真壁さおり)

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 一般社団法人りぷらすのホームページはhttp://replus.mystrikingly.com/
 連絡先は0225(98)8957。電子メールアドレスはri.link.plus@gmail.com


2020年06月08日月曜日


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