<入試のツボ>資料読み取る力必要/科目別振り返り(3)社会

 公立高入試で午前中の最後に行われる社会。例年なら、ここで立て直し、午後につなげる生徒も少なくない。しかし、この春の入試は違った。平均点は47.8点と、数学に次ぐ低い点数となった。社会で完全に心を折られてしまった生徒も多かっただろう。
 来年度から新学習指導要領が全面実施される。その目玉の一つである「思考力・判断力・表現力」を測るには、社会が最も適した教科の一つであることは、以前も取り上げた。
 資料から情報を正確に読み取り、その他の資料と照らし合わせて分析し、問題によっては文章で表現する。これは、かなり高度で時間のかかる作業だ。今春の入試では、まさにこのような問題が目立った。
 さらに受験生を苦しめたのが、文字数の多さだろう。選択問題にしても、単に語句を答えるものは少なく、文章を選ぶ形式が多かった。常に集中し続けないとミスをしてしまう。実際に受験した生徒たちからは、「時間がかかって大変だった」「疲れた」という感想が多かった。
 記述式問題は例年通り5問出題されたが、今春の入試問題のように、問題数を増やさなくても、質問の仕方を変えれば難度は上げられる。記述式問題を増やせば、その分、採点が難しくなる。今後もこのような出題が続くことが予想される。
 全体的に表面的な暗記知識だけでは歯が立たない問題が増えている。素早く正確に「複数の資料を読み取る力」を養わなければ、社会で高得点を望むのは難しい入試に変化してきていると言えるだろう。
(河合塾NEXT・進藤誠泉中央教室長)


2020年06月20日土曜日


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