<まちかどエッセー・アサノタケフミ>夢は続くよ、どこまでも

[アサノタケフミさん]1983年生まれ。宮城県塩釜市出身。シンガー・ソングライター、ラジオパーソナリティー。高校3年生の時、NHKのど自慢多賀城市大会で優勝したのを機に、音楽活動を本格的に開始。塩釜市のコミュニティーFMベイウェーブで月〜金曜の毎日正午から、1時間の生放送番組「ラジカルト!」を担当。

 僕が人生で初めてライブを経験したのは、中学3年の時の学校行事だった。担当はギター。音楽の先生と一緒に、F−1のテーマでおなじみのT−SQUAREの「TRUTH」を披露した。初心者ギタリストには難しすぎて、先生の演奏に隠れてエアギターを披露しているようなものだったが、全校生徒の前で演奏した興奮は、最高だった。
 あれから15年。僕は音楽活動を続けているが、あの日を超える興奮にまだ到達していないと感じていた。正直、ミュージシャンへの夢を諦めかけたこともあったが、そんな自分にもまだチャンスはあったのだ。
 憧れの存在、声優の山寺宏一さんとの出会いによって状況は変わっていく。東日本大震災直後、山寺さんが避難所へ応援に駆けつけた時、塩釜のラジオ局にも足を運んでくださり、そこで初めてお会いした。
 後に塩釜市で行われたイベントに山寺さんがゲスト出演する際、「伴奏のギターを弾いてくれないか?」と声を掛けてくれた。それ以降も被災地の子どもたちの所へ行く時には誘ってくれ、何度も後ろで演奏した。
 東松島市へ行った帰り道、山寺さんはこんなことを言っていた。「子ども向けの仕事に多く携わってここまでこられた。子どもたちが僕を育ててくれた。だからこそ、子どもたちのためなら何だってしたい」と。
 子どもたちや周りの皆さんへの感謝を忘れずにいることや、これまでの苦労話など、出会って間もない僕に包み隠さず話をしてくれた。温かい言葉は「夢を諦めちゃダメだ」というメッセージにも聞こえた。
 この出会いによって夢のような出来事が続いているが、今年さらに素晴らしい事が起きようとしている。
 山寺宏一さん、さとう宗幸さん、稲垣潤一さんら宮城県のスターが所属し、子どもたちの援助を行っている「みやぎびっきの会」のコンサート、ドリームチェーンコンサートinしおがまに出演が決まった。僕の担当はギター。あの時を超える興奮は目の前に迫っている。これまでの思いの全てを音に乗せたい。
(シンガー・ソングライター)


2018年01月15日月曜日


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