<まちかどエッセー・鈴木英子>教室は小さな地球

[すずき・えいこさん]公益財団法人宮城県国際化協会日本語講座スーパーバイザー、東北中国帰国者支援・交流センター日本語講師。著書に『漢字授業の作り方』『どんどんつながる漢字練習帳初級・中級』『使って覚える楽しい漢字1・2』などがある。平成26年度「白川静漢字教育賞最優秀賞」受賞。1954年東広島市生まれ。活力の源は大好きなスポーツ。仙台市太白区在住。

 現在、私は地域で暮らす外国人や帰国者のための日本語学習支援に携わっています。
 きっかけは、市の広報紙で募集していた日本語ボランティア養成講座の案内でした。子育てだけでなく何らかの社会参加がしたいと模索していた時で、「これなら日本人なのだからできるだろう」と申し込んだのですが、いざ受講してみると、思い描いていたものとは全くかけ離れた内容にがくぜん。国語教育とは違う日本語教育の存在を初めて知ったのです。
 こういう訳で、正直よく分からないまま飛び込んでしまった世界ですが、異なる言語や文化を持つ人々との出会いは学ぶことの連続で、楽しく心躍るものとなりました。これまで出会った日本語学習者は千人を超え、国籍は70カ国余り。10代から80代までの年齢も背景もさまざまな人たちです。国は違っても心は皆同じ、人としての在り方や生き方を教わっています。
 日本語教室では、笑ったり驚いたりで、たくさんのエピソードが次々と生まれます。「仙台の街はきらいです」とKさん。何か嫌な体験でもしたのかと心配したら、「きれいです」の間違いでほっとしました。「先生は顔がしろいですね」と言われ、ファンデーションを塗り過ぎたのかな?と思ったら、「顔がひろい」のことでした。
 来日したばかりのTさんにお茶を入れたら、「お世話になっております」と、にっこり。返答に窮しました。小柄でかわいいAさん、ご主人の手術に付き添った際、担当医師から「おくさまですか」と聞かれたのが「おこさまですか」に聞こえ、「ミニサイズですが、妻です」と答えたそうです。
 教室は小さな地球。人の優しさや温かさ、そして出会うことの喜びや幸せをたくさん教えてくれるのです。


2018年03月12日月曜日


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