<まちかどエッセー・鈴木英子>人生は面白い!

[すずき・えいこさん]公益財団法人宮城県国際化協会日本語講座スーパーバイザー、東北中国帰国者支援・交流センター日本語講師。著書に『漢字授業の作り方』『どんどんつながる漢字練習帳初級・中級』『使って覚える楽しい漢字1・2』などがある。平成26年度「白川静漢字教育賞最優秀賞」受賞。1954年東広島市生まれ。活力の源は大好きなスポーツ。仙台市太白区在住。

 私の故郷は広島県で、現在は東広島市になっていますが、昔は「赤字路線をバスは走る」と新聞に書かれるほどの田舎でした。幼い頃はテレビで見た女剣士と忍者に憧れ、私も忍術が使えるようになりたいと夢見ながら野山を駆け回っていたことなど、懐かしく思い出されます。
 当然ながら外国の人と出会う機会はなく、学校に転校生が来ようものなら、それはもう、うれしくてたまりませんでした。そんな私が結婚を機に転勤族として、この東北の地でお世話になりながら、世界の人々と交流しているのですから、人生は面白いものだなとつくづく思います。
 日本語教室の学習者、活動を共にしている仲間や支援者、仕事関係の専門家、そして子育てや趣味を通して知り合った友人など、これまで実にたくさんの方々に出会い、さまざまな場面で支えられ励まされながら貴重な経験をしてくることができました。
 自分の歩いてきた道のりを振り返ると感慨深く、出会ってきた全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいになります。
 年齢を重ねて見えるようになってきたものが一つだけあります。それは日本語学習者の思いです。言葉はうまく通じなくてもその人に向き合い、表情を見ているだけで、心の声が伝わってくるのです。
 自分の中の五感は衰えても、おそらく第六感が研ぎ澄まされてきたからなのでしょう。子どもの頃に夢見た忍術は使えるようになりませんでしたが、今は魔法のつえに代えて日本語学習者のやる気に火をつけられるよう、腕を磨いているところです。
 「この人に出会えて本当に良かった」と喜んでもらえるような学習のお手伝いができたら、最高に幸せだと思っています。
 今回で私の執筆は終わりになりました。国語とは違う日本語の世界について少しでも面白く感じていただけたとしたら、大変うれしく思います。ありがとうございました。
(公益財団法人宮城県国際化協会日本語講座スーパーバイザー)


2018年06月25日月曜日


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