<まちかどエッセー・小野寺志乃>人が集まり、ものを作る

[おのでら・しのさん]2013年慶応大大学院政策・メディア研究科修了。一般社団法人FLAT代表理事。デジタル工作マシンを備えた工作室「FabLab SENDAI−FLAT」の運営のほか、ワークショップやプロダクトのデザインなどに携わる。趣味は立ち飲み屋巡り。1989年、仙台市生まれ。仙台市太白区在住。

 私は「FabLab SENDAI−FLAT(ファブラボ センダイ・フラット)」という、誰もが作りたいものを自由に制作できる工作スペースを運営しています。
 3Dプリンターやレーザー加工機といった、パソコンで作製した設計図のデジタルデータを基にいろいろな素材を加工する「デジタル工作マシン」を備えていることが特徴の一つ。例えばレーザー加工機は、設計図をマシンに送信するとレーザー光線の熱で素材を切断したり、焼き目を付けて彫刻加工したりできます。
 このような説明をすると「最新のもの作りマシンを利用できる場所なんですね」と言われるのですが、私たちのスペースは2013年開設で、所有マシンは5年選手がほとんど。とても最新とは言えません。
 それでは、誰もがアクセスできる工作スペースの面白さとは何なのか。それは、さまざまな分野の方が集まってものを作っているということだと思います。
 実際に、スペースの利用者は高校生や企業の開発者、フリーランスデザイナーなど非常に多様な背景を持つ方ばかり。
 こちらで風力発電のプロペラを3Dプリントしているかと思えば、あちらではデジタル刺(し)繍(しゅう)ミシンでよだれ掛けに刺繍をしていたり、向こうでは結婚式用のオリジナルグッズをレーザー加工していたりと、皆さんジャンルにとらわれないもの作りに日々取り組んでいます。
 こうした環境だと、他の人がどんな作業をしているのか気になって見てしまうのが人間というもの。そこから会話が生まれて親しくなり、最近では一緒に勉強会を開催する人たちや、商品開発にチャレンジする人たちも出てきました。
 このように、人と人、技術を緩やかにつなげていくことこそが、私たちの工作スペースの重要な役割だと考えています。


2018年11月12日月曜日


先頭に戻る