<まちかどエッセー・小野寺志乃>新幹線での晩酌セット

 出張の楽しみは、なんといっても帰りの新幹線でのお酒とおつまみです。
 仕事柄、ワークショップなどで遠方へ出向くことがたびたびあります。もちろん行った先で小さな飲み屋を巡り、現地のお酒や食べ物を楽しむことは欠かせませんが、新幹線乗車前の買い物もまた、呑(の)んべえの血が騒いでしまうもの。
 まるで遠足前におやつを買いに来た小学生のように、棚の前を行ったり来たりしながら品定めをするのは本当に楽しい時間です。
 これまでで特に気持ちが高まったのは、盛岡駅改札内のお土産屋さんの品ぞろえ。冷蔵ケースの中には、小さなプラスチックカップに入ったつくだ煮や塩辛など10種類ほどのおつまみが並びます。お酒が進むこと間違いなしのラインアップに加え、お酒とおつまみをセットで購入すると、割引してもらえるという夢のようなサービスまで。
 さまざまある中で私の一番のお気に入りは、細切りの生イカとペースト状のウニを和(あ)えた「うにいか」。ねっとりとした甘いイカとまろやかなウニの風味がたまらない一品です。これほど豊かな味わいのおつまみと駅の改札内で出合えるとは思っておらず、とても感激したのを覚えています。
 とはいえ、実際は買い物に時間をかけられなかったり、そもそもお店がなかったりすることがほとんど。そんなピンチにも瞬時に対応できるよう、ホームの売店やコンビニエンスストアで売られているもので、納得のいく組み合わせを見つけるというリサーチをここ数年行っています。
 現在の首位は、ハイボールとウズラの燻製(くんせい)卵。入手と飲み食いのしやすさに加えて、食べ合わせの良さもポイントの一つです。
 乗車してから周りのお客さんのテーブルを見て、「その組み合わせがあったか!」と思わず膝を打つことも。しかしそれをまねしたいと思っても新幹線はもう発車後…というのがいつものパターン。そんな悔しさを味わわないために、乗客の晩酌セットを調査し、それを肴(さかな)にお酒を飲みたいというのが次の野望です。
(ファブラボ センダイ・フラット運営)


2019年02月18日月曜日


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