<まちかどエッセー・若蝸_美>ラピスラズリを求めて

[わかやなぎ・よしみさん]東京都三鷹市出身。朗読ユニット100グラード主宰。TOHOKU360通信員、荒浜のめぐみキッチン活動メンバー。宮城県内のコールセンターで十数年勤務、第55回全国電話応対コンクールで優秀賞受賞。現在は仙台市のIT企業に勤務。仙台市若林区在住。41歳。

 私は青が好きだ。スマートフォンや文房具、バッグにいたるまでさまざまな青でそろえている。青は食欲を減退させる色だそうだが、フランスには「ケルノンの瓦チョコ」という青いチョコレートもある。私はチョコレートも好きだ。好きなもの同士が合わさったものは、もっと好きだ。この青い色はどうやって出すのだろうか…?と数年思っていたところ、この瓦チョコの作り方を紹介する動画を発見。日本に自生しない「バタフライピー」という花の粉末で青くなるそうだ。
 早速この粉末を購入し、何を作るか考える。瓦チョコではなく、もっと簡単な青いチョコレートのお菓子を作れないものか、と、レシピ検索サイトを眺める。すると、砕いたクッキー、刻んだナッツとマシュマロを混ぜ、湯煎で溶かしたチョコレートをつなぎにして冷やし固める「チョコレートサラミ」を見つけた。
 カットした断面がサラミのように見えることからついたこの名前。これを青いチョコレートで作ったら、きれいな鉱石の断面になるはずだ。よし、これにしよう!(ホワイトチョコレートの甘さを引き立てるように、中に入れるクッキーはココアクッキーがいいな、ナッツはクルミを刻んで使おう)頭の中で組み立てたレシピは完璧で、ラピスラズリのようなクッキーができるはずだった。
 完成したチョコレートサラミは予想とはかけ離れていた。味の組み合わせにばかり気を取られ大事なことを忘れていた。クッキーを砕くと大きいかけらだけではなく、細かい粉も出る。今回はココアクッキーなので、黒い粉末。チョコレートは、青。黒のつぶつぶと青が混ざった結果、鉱石とは程遠いし、全くおいしくなさそうなものができた。
 「隕石(いんせき)」「ピラミッドの埋葬物」、以上は実際にいただいた見た目の感想だ。味はおいしいのだ。材料はホワイトチョコにココアクッキー、クルミとマシュマロなのだから。ただ、食べるまでに勇気がいる。
 わが家の食品棚には、まだまだ「バタフライピー」の粉末が残っている。次はココアクッキーではなく、普通のクッキーで、今度こそラピスラズリ色のチョコサラミを作り上げたい。
(朗読ユニット100グラード主宰)


2019年04月22日月曜日


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