<まちかどエッセー・鈴木誠一>世界に「ノーサイド」を

[すずき・せいいちさん]鈴屋金物(株)代表取締役。1951年仙台市生まれ。早稲田大商学部卒・同大大学院商学研究科修士課程修了。早稲田大商議員、仙台稲門会副会長。仙台二高同窓会理事・創立120周年記念データベース委員長。ジャズバンド「ビバップス」主宰。

 ラグビーワールドカップ(W杯)が、いよいよ今秋に日本で開催される。日本はプールAで、アイルランド、スコットランド、ロシア、サモアと対戦する。
 私は仙台二高に入学し、ラグビーと出会った。球技と格闘技が合わさった男らしいスポーツが魅力的に見えた。チームプレーとリーダーシップを重要視するスポーツに、青春時代を投じた。
 同校ラグビー部でフッカー、フォワードキャプテンとして楕円(だえん)球を追い掛けた。えんじと黒のジャージーに憧れて、夢の荒ぶる早稲田大ラグビー部に入部できた。夏の菅平合宿で必死の練習もむなしく、体力的限界を感じ挫折した。
 主将フッカー大東和美選手、副将フルバック小林正幸選手率いる早稲田ラグビーは、1971年に新日鉄釜石を下し日本一に輝いた。72年には三菱自工京都を破り、連続日本一の栄冠を勝ち取った。
 その憧れの小林さんが今年3月に来仙した折には、仙台二高ラグビー部の後輩2人を連れて作並温泉に泊まり、4人でお酒を酌み交わした。ラグビーW杯を前に、盛り上がった楽しい前夜祭だった。
 前回大会での日本代表の南アフリカ戦での逆転勝ちは記憶に新しい。フルバック五郎丸歩選手のペナルティーキックが注目を集めた。当時の監督エディー・ジョーンズの言うプリペアドマインド(準備する心)を、私は信条としている。
 ラグビーは、国境を超え、人種を超え、言葉を超え、人々に一体感を与える。ラグビーには、ノーサイドという素晴らしい言葉がある。戦い終わったら両軍のサイドが無くなり、同じ仲間だ、という精神である。
 米中貿易戦争で経済が混迷・分断する中、小さいながら会社を経営する私は、ラグビーの素晴らしいプレーを通じてこのノーサイドの精神を、世界中の人々の心に浸透させてほしいと願っている。世界のノーサイトを目指して。


2019年07月01日月曜日


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