<まちかどエッセー・鈴木誠一>幸せのバランス

 経営する「鈴屋金物」の朝は早い。私は午前6時半に会社に着く。既に2、3人は仕事をしている。7時45分から毎日朝礼。全員が簡潔に一言話す。社員の心のありようを察知するため、全員に毎週週報にコメントを書き続けている。営業マンとは、建築現場に同行し車中で近況を聴くのが楽しみだ。社員の心の成長は、私の誇りだ。
 経営の5要素、人・物・金・情報・時間を社員と議論。私は、人材教育こそ経営の要諦と考えている。主体的に考える力、スピーディーな行動力が、鈴屋の強みだ。
 稲盛和夫氏が主宰した盛和塾から学んだ最も大切なことは「成果=考え方×やる気・情熱×知識・技術」。稲盛氏の「動機善なりや私心なかりしか」の利他的考え方も社員と共有する。
 企業は短期的利益を求めて方法論、How To的思考に走りやすい。大事なものは信用なのに、いかに浮利を追って信用を失う会社が多いことか。
 鈴屋は、どうしたら信用を得られるか。持続できるか。お客さまが真に喜ぶ・満足する仕事とは何か。原理追求的思考、Why的思考を実践する。
 経済は価格軸と価値軸で動く。鈴屋のテーマは付加価値だ。お客さまが望む以上のことをさせていただきたいと考えている。私は、仕事も経営もお金も、幸せを形づくる人生の一つの分野と考えている。
 仙台二高時代、倫理社会の太田敏明先生から哲学を教えていただいた。目からうろこが落ちた。大学では哲学書を読みあさった。
 人は幸せになるために生きる。幸せとは何か。私は人生の6分野のバランスと考える。私の優先順位は(1)健康・命(2)家族・家庭(3)お金・仕事・経営・経済(4)友人・仲間・つながり(5)趣味・教養・信仰・感動・人生のダイナミクス(6)地域貢献・ボランティア。
 なぜ健康・命が最も大切と考えるか。私は最愛の長男を満22歳で亡くし、健康・命の大切さを痛感した。
 年齢を重ねる中で、自分の仕事、仲間との交わり、趣味のジャズやラグビーなど人生の6分野を究め、幸せのバランスのかじ取りをしていきたい。自分を支えてくれた大事な社員、友人、仲間の幸せを願ってやみません。
(金属工事施工会社経営)


2019年08月26日月曜日


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