<まちかどエッセー・中村匠子>選挙に思う

[なかむら・しょうこさん]1957年、岩手県住田町生まれ。国立仙台病院(現仙台医療センター)付属看護助産学校を卒業。病院勤務後に子育てのため退職し、塩釜子ども劇場と出合う。2004年、NPO法人みやぎ県子ども・おやこ劇場設立時に専務理事となり、16年から代表理事。

 6月に大船渡市に住んでいる次男に子どもが生まれ、2人目の孫ができた。なかなか会いに行けなかったが、お盆で隣町に帰省した時に初めてだっこできた。孫はかわいい! 見ているだけでにやけてしまう。
 1人目の孫の時も同じだったが今は中学1年の思春期真っ最中で反抗期。何も言わない赤ちゃんがよりかわいらしく思えるのかもしれない。孫は、わが子ではないので客観的に見ることができる。折々に成長ぶりを確認するのも、面白い。
 東日本大震災の被災地の多くで、統一地方選の日程がずれた選挙が行われており、あちこちで候補者の政策を耳にする。しかし、子どもや文化に関する政策はあまり聞かない。それだけ目の前の生活環境が厳しく、喫緊の課題が多いということか。住みよい街づくりへの具体的な言及も、ハード面が多くソフト面は少ない。でも、ソフトこそ重要なのではないかと思う。
 今、子どもたちは困難な社会状況に直面し、いじめや虐待などを大人から受けることも多い。学校・施設の教職員ら子どもに関わる人たちを含め、大人は子どもに対する想像力が足りないと、自戒を込めて思う。
 よりよい国づくり・街づくりを担おうと議員になった方、なろうとしている方は、子どもへの想像力を働かせてほしい。「子どもが健やかに育つ街づくり」を真ん中に、与野党の垣根を越えて市民と共に知恵を出し合えば一致点が多くあるのではないか。
 難局にぶつかった際に壁を乗り越えるためには、想像力、そして創造力が必要だ。私たちは文化芸術体験を通して子どもたちの力を養おうと活動しているが、今そのことが必要なのは、むしろ大人なのかもしれない。子どもが生きにくい社会は、大人も生きにくいのだから。子どもたちが成長する10年後、20年後が、人に優しく文化の薫り豊かな社会になっていてほしいと願うばかりだ。
 子どものための舞台は、大人も十分に楽しめる。何より、ステージ上を注視する子どもたちの姿を見るだけでも元気になる。議員の皆さまにはぜひ、観劇をお勧めしたい。子どものエネルギーを、街づくりへのパワーにしてほしいと願う。
(みやぎ県子ども・おやこ劇場代表理事)


2019年09月02日月曜日


先頭に戻る