<高校生のシゴト力>水産加工品開発 支える人たち/全国の同窓会組織も協力

海洋高の取り組み報告会で、香港での活動について発表する生徒=9月25日、糸魚川市役所
松本将史さん
岩崎 昇さん

 海洋高校が開発した商品の取り扱いは今年4月から、同校を退職した松本将史(まさふみ)さん(39)が設立した会社「能水商店」が担っている。
 社長を務める松本さんは起業した理由を「教員をしながらでは時間や立場などの面で制約があり、しっかりとした運営ができないから」と語る。販路の拡大を目指し、連日、全国を駆け回っている。
 海洋高の商品をこれまで扱っていた「シーフードカンパニー能水商店」は、高校と同窓会、糸魚川市の3者が連携して設立された。現在の能水商店も3者の連携を引き継いだ。
 松本さんは、こうした3者連携の取り組みを「糸魚川ならでは」と感じている。海に面した糸魚川の水産資源、その水産資源と食品に関する研究を行っている海洋高があるからだ。さらに、この環境を生かしたキャリア教育の拠点となることで、県内外から糸魚川に人を呼ぶことができる可能性についても言及する。
 長期的には水産業の担い手育成も見据えている。例えば、サケの魚醤の販売量が増えれば、漁業者の収入が安定する。地元の漁協が取り組んでいるサケの稚魚の放流量も資源の維持も期待できる。松本さんは「ビジネスとして回っていく態勢ができれば、将来の資源管理にもつながる」と強調する。
 長年、学校を支援してきた同窓会「能水会」会長の岩崎昇さん(72)=東京在住=は「市や松本さんと卒業生が一丸となって築き上げてきた事業とキャリア教育のプラットホームを、うまく会社組織に引き継げた」と振り返る。「海洋高の取り組みが注目されることは、糸魚川出身者の喜びになっている」と声を弾ませる。
 前身の能生水産高時代も含め、全国のさまざまな業界にOB・OGがおり、これまでも学校の活動に協力してきた。今後も会社組織となった能水商店を中心に積極的に協力していく考えで、「産学官連携のキャリア教育で、一層の地域振興と事業規模の拡大に期待したい」と力を込めた。


2018年10月28日日曜日


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