<いぎなり仙台>おらほの裏方さん![4]注文に応じ投げ分ける/東北楽天の打撃投手 部坂俊之さん(45)

試合前練習で打撃投手を務める部坂さん=楽天生命パーク宮城

 打たれることが仕事だ。部坂(へさか)俊之さん(45)はプロ野球東北楽天の打撃投手。1日の球数は130〜140。練習量の多いキャンプ中は約200にもなる。「投げている打者が本塁打を打てば、こっちもうれしい」と苦労をいとわない。
 打者の注文に応じ内外角や変化球などを投げ分ける。絶対にやってはいけないのが、死球。怖さや残像が残れば、試合に影響するからだ。
 時折、選手からスイングや自身の状態などを尋ねられる。一緒に映像を見ながら意見交換をすることもある。「打者のイメージと投げている側の見え方は違う。『良い時はこんな感じだった』とアドバイスできる。いつも投げているから分かることがある」。打者の頼れるパートナーだ。
 1998年にドラフト4位で阪神に入団。2002年に戦力外となり、台湾のプロリーグなどに所属後、引退した。05年秋に当時選手だった野村克則2軍バッテリー兼守備作戦コーチに誘われた。阪神時代に世話になった野村克也元監督の下で再びユニホームを着た。
 14年12月に右肘を手術したが、翌年2月の春季キャンプでは、いつものように投げていた。東北楽天で打撃投手を務め14年目。右肘は一定の角度で常に曲がったままで、右手が右肩に付かない。ネクタイを結ぶのに苦労するほどの職業病だ。
 それでも投げ続けるのは、13年の日本一を経験したからだという。「当時の球場の一体感は忘れられない。もう一度優勝したい」。チームの勝利を願い、記録とは無縁の投球を黙々と続ける。
(丹野大)

[東北楽天の打撃投手]現在9人で右投げ5人、左投げ4人。チーム創設メンバーの有銘兼久さんと藤崎紘範さん、2009年ドラフト1位入団の藤原紘通さんらも裏方として投げ続けている。投手陣を支えるブルペン捕手は、昨季限りで引退した伊志嶺忠さんら5人。


2019年09月06日金曜日


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