データ
平成最後の県議選開票結果(2015年)
平成最初の県議選開票結果(1991年)

台風直後の宮城県議選 論点は埋没

 【解説】東日本大震災後3度目となる宮城県議選は、告示直前に超大型の台風19号が県内を直撃し、様相が一変した。震災復興の道筋など、語られるべきだった県政の論点は台風被災地の復旧を前に埋没した。有権者の関心は高まらず、投票率は過去最低となった。
 県政与党の自民、公明両党が議席の過半数を獲得し、有権者は村井嘉浩知事による県政運営を追認した。台風被災地に課題が山積する中、実績を掲げた与党に復興を託そうとの空気が広がったとみるのが妥当だ。
 村井知事は今選挙を「現県政の中間審判」と位置付けた。結果は与党勝利となったが、台風による混乱が続く中での選挙戦で、全面的な信任ではない。知事も与党もその意味合いをかみしめてほしい。
 7月の参院選で勝利し、8月の仙台市議選で躍進した立憲民主党は一定の存在感を示した。一方で自民の独占区に候補者を擁立しないなど、ふに落ちない戦略も見られた。
 前回、安全保障法制反対の世論を追い風に議席を倍増させた共産党は明確な争点を示せず、議席を大きく減らした。消費税増税など国政批判は広がりを欠き、仙台市議選に続く苦戦は、野党共闘を含む今後の戦略に課題を残した。
 亥(い)年は参院選と統一地方選が実施される。震災の影響で地方選の日程が複数に分散した地域もあり、度重なる選挙で疲弊した陣営の運動量は低下した。低投票率を鑑みても、選挙日程の再統一は早期に議論されるべきだ。
 令和最初の県議選を勝ち抜いた議員の役割は大きい。東北電力女川原発の再稼働の判断、2020年度末に終える震災復興計画の総括、ポスト復興の方向性を論じる任を負う。新時代の県政を左右する課題に向かう決意を胸に刻んでほしい。
(報道部・土屋聡史)


2019年10月28日月曜日


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