<E番ノート>欲/島内を変えた要素

 アスリートの成功に「才能と努力」が必要なのは言うまでもない。加えて、同じくらい大事なのが「欲」ではないかと、東北楽天の島内の話を聞いて思った。
 打撃不振で苦しんでいたプロ3年目の2014年。島内は当時の星野監督(故人)に突然「お前は何のために野球をやっているんや」と尋ねられたという。答えに窮していると「もっとがめつくやれ。お金をもっと稼ぎたいとか目標を持て」と一喝された。
 現状に満足しがちだった島内はその日を境に少しずつ欲を出すようになった。「今もあまりお金に興味はない方だと思います。でも、なるべくいい物を買って頑張ろうという気持ちになった」
 今季の年俸7800万円(推定)は当時の倍以上。今やチームに不可欠な主力選手に成長した。「僕を変えてくれた方」。欲求を引き出してくれた亡き恩師に感謝し続ける。
 今、チームの若手の多くが、漫然と野球に取り組んでいた当時の自分と重なるという。「現状に満足してはいけない。僕が若手に伝えられることはあるはず」
 島内を変えた一つの要素が、下世話な言い方だが「お金」だった。伸び悩む若手に何か眠っている欲求はあるか。島内のエピソードを頭の隅に置きながら、取材しようと思っている。
(狭間優作)


2019年01月10日木曜日


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