<東北スポーツ十大ニュース>1位はやっぱり羽生結弦? 大谷、金足農の順位は?

平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で2連覇を飾った羽生。フリー演技を終え、雄たけびを上げる=2月17日、韓国・江陵
5月20日のレイズ戦に先発登板して4勝目を挙げ(左)、9月26日のレンジャーズ戦で22号本塁打を放つエンゼルス・大谷=いずれもアナハイム(ゲッティ=共同)
準決勝の日大三(西東京)戦で5試合連続完投し、秋田県勢として103年ぶりの決勝進出を決めて喜ぶ金足農の吉田。左は捕手菊地亮太=8月20日、甲子園
2013年の日本シリーズで巨人を破って日本一に輝き、胴上げされる東北楽天の星野監督=13年11月3日、クリネックススタジアム宮城(現楽天生命パーク宮城)

 平昌冬季五輪の銀盤で羽生結弦(ANA、宮城・東北高出)がけがを乗り越えて偉業を達成した。米大リーグに挑戦した大谷翔平(エンゼルス、岩手・花巻東高出)は投打の「二刀流」で本場のファンを魅了。夏の全国高校野球選手権大会では金足農(秋田)が旋風を巻き起こし、2020年東京五輪での活躍が期待される卓球の張本智和(エリートアカデミー、仙台市出身)は一年の初めと終わりに大きな成長の跡を見せた。サッカーJ1仙台は天皇杯全日本選手権でJ2山形とともに躍進。18年の東北スポーツ十大ニュースを河北新報社が選んだ。

(1)羽生66年ぶり五輪連覇

 2月に行われた平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で羽生結弦が、リチャード・バットン(米国)以来の66年ぶりの2連覇を果たした。冬季五輪個人種目で続けて金メダルを獲得した日本人選手は初めて。
 昨年11月に右足首を痛めた羽生は12月の全日本選手権などを欠場したが、それまでの実績が評価されて五輪代表に選出された。ぶっつけ本番で五輪のリンクに立つと、痛みに耐えながら気迫の演技を披露した。五輪初出場の宇野昌磨(トヨタ自動車)も銀メダルを獲得し、フィギュアで複数の日本選手が初めて同時に表彰台に立った。
 羽生は4月、地元仙台市の中心部をパレードし、10万を超える人々と喜びを分かち合った。東日本大震災などの苦難を乗り越えたことで感動をもたらした偉業が評価され、7月に個人としては史上最年少の国民栄誉賞を授与された。

(2)「二刀流」大谷活躍、新人王

 米大リーグ、エンゼルス入りした大谷翔平はベーブ・ルース以来の本格的な投打の「二刀流」で注目を浴びた。投手では肘の故障で4勝(2敗)にとどまったものの、打者では22本塁打を放つなど活躍。11月、ア・リーグの最優秀新人(新人王)に選出された。
 日本選手が新人王となったのは、1995年の野茂英雄投手(ドジャース)、2000年の佐々木主浩投手(マリナーズ、仙台市出身)、01年のイチロー外野手(マリナーズ)以来4人目。
 大谷は投手で10試合に先発し、防御率は3.31。打者としては104試合出場で打率は2割8分5厘、61打点、10盗塁。同一シーズンでの「10試合登板、20本塁打、10盗塁」はメジャー史上初めてだった。
 今季終了直後に右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、来季は打者に専念する。

(3)金足農が甲子園準優勝

 8月の第100回全国高校野球選手権大会で金足農が準優勝を果たした。春夏を通じ、東北勢として2015年の仙台育英以来、3年ぶり12度目(通算8校目)の決勝で初の頂点に挑んだが、大阪桐蔭(北大阪)に史上初の2度目の春夏連覇を許した。
 金足農は主戦の右腕吉田輝星(こうせい)が150キロを超える速球を武器に、1回戦から準決勝までの5試合で完投。打線も準々決勝で逆転サヨナラの2ランスクイズを決めるなど、しぶとさを発揮して勝ち上がった。
 秋田県勢の準優勝は第1回大会(1915年)の秋田中(現秋田)以来103年ぶり。公立校としては秋田中、69年夏のエース太田幸司を擁した三沢(青森)、71年夏の磐城(福島)に次ぐ4度目の決勝進出となった。
 吉田は10月のプロ野球ドラフト会議で日本ハムの1位指名を受けて入団した。

(4)元楽天監督の星野氏死去

 元プロ野球東北楽天監督の星野仙一氏が1月4日に死去した。70歳。現役時代は中日のエースとして闘志むき出しの投球で「燃える男」と呼ばれ、引退後は中日、阪神の監督を率いてリーグ制覇。2010年10月から率いた東北楽天では13年に初の日本一に導いた。
 岡山県出身。岡山・倉敷商高から明大を経て、1969年にドラフト1位で中日に入団。82年まで中日一筋でプレーした。巨人戦では長嶋茂雄、王貞治らを相手に35勝(31敗)を挙げ「巨人キラー」の異名を取った。現役時代の通算成績は146勝121敗34セーブ、防御率3.60。
 3球団で計17年の監督通算成績は1181勝1043敗53分けで、戦後生まれでは初の1000勝監督となった。東北楽天監督は14年限りで退き、15年9月から球団副会長を務めていた。17年にエキスパート表彰で野球殿堂入り。

(5)張本Gファイナル初優勝

 今月16日、卓球のワールドツアー上位選手で争うグランドファイナル(韓国・仁川)のシングルス男子決勝で世界ランキング5位の張本智和が同4位の林高遠(中国)を破り、初優勝を飾った。
 日本選手がグランドファイナルのシングルス男子で頂点に立つのは、2014年の水谷隼(木下グループ、青森山田高−明大出)以来3度目で、15歳172日での優勝は男女シングルスを通じて史上最年少。日本のホープが2年後の東京五輪へ弾みをつけた。
 張本は14歳の中学2年生だった1月の全日本選手権シングルス男子も、決勝で10度目の優勝を狙った水谷を下して史上最年少で初めて制覇した。従来のシングルス男子の最年少優勝記録は水谷の17歳だった。中学生の優勝は男女を通じて史上初とあって、張本の躍進は日本の卓球界の時代の転換点を強く印象付けた。

(6)J1仙台が天皇杯準優勝

 サッカーの第98回天皇杯全日本選手権でJ1仙台が初めて決勝に進んだ。東北勢としては2014年に準優勝したJ2山形に次ぐタイトルへの挑戦となったが、9日の決勝はJ1浦和の本拠地、埼玉スタジアムで0−1と惜敗した。9年ぶりに4強入りした仙台は準決勝でJ2山形を破った。15年のJ1以来の「東北ダービー」は仙台の本拠地、ユアスタ仙台で行われて熱気を帯びた。

(7)楽天の梨田監督が辞任

 東北楽天の梨田昌孝監督が6月に辞任した。チームの借金が20に膨らんだ時点で成績不振の責任を取った。残り試合は平石洋介ヘッド兼打撃コーチが監督代行を務め、シーズン終了後に監督昇格が決まった。梨田氏は2016年シーズンに監督となり、1年目は5位。2年目の17年は開幕から快進撃を見せるなど3位でクライマックスシリーズのファイナルステージまで進んだ。

(8)卓球の「愛ちゃん」が引退

 卓球女子団体で2012年ロンドン五輪銀メダル、16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの福原愛(ANA、仙台市出身)が10月に現役引退を発表した。3歳で卓球を始めて「愛ちゃん」と親しまれ、五輪は15歳だった04年アテネ大会から4大会連続で出場した。リオ五輪後、リオ五輪台湾代表の江宏傑と結婚して第1子を出産。今月5日、第2子の妊娠を自身の公式ブログで明らかにした。

(9)バドミントン東北勢が躍進

 8月のバドミントン世界選手権(中国・南京)男子シングルスで桃田賢斗(NTT東日本、福島・富岡高出)が五輪、世界選手権を通じて日本男子初の優勝を果たした。女子ダブルスも永原和可那、松本麻佑組(北都銀行)が同種目の日本勢で41年ぶりの世界一。今月16日、ワールドツアーファイナル(中国・広州)で高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス、宮城・聖ウルスラ学院英智高出)は4年ぶり2度目の頂点。

(10)伊調東京五輪へ復活V

 レスリング女子で五輪4連覇に輝き、指導者のパワハラ問題を乗り越えた伊調馨(ALSOK、八戸市出身)が今月23日、3年ぶりに出場した全日本選手権の57キロ級決勝で、2016年リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)を破り、復活優勝を遂げた。伊調は20年東京五輪を目指す意思をリオ五輪後初めて表明し、5連覇へ確かな一歩を踏み出した。

(次点)浅村ら加入、来季へ戦力充実

 東北楽天が11月、西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使した浅村栄斗内野手の獲得を発表した。浅村は今季打率3割1分、32本塁打、127打点で2度目の打点王に輝き、主将として10年ぶりのリーグ優勝に貢献した。米大リーグでプレーした速球派のブセニッツ投手、大砲候補のブラッシュ外野手の入団も決まり、最下位からの巻き返しを期す来季へ戦力が充実した。

(12)全日本大学野球選手権で東北福祉大(仙台六大学)が 14年ぶり3度目の優勝を飾り、名門復活を印象付けた。

(13)東北楽天の岸孝之投手が最優秀防御率を、西武の山川 穂高内野手(富士大出)が本塁打王を初めて獲得した。

(14)J1仙台のFW西村拓真がロシアのCSKAモスクワ へ完全移籍。仙台の生え抜き選手の海外移籍は初めて。

(15)JFLで今季3位の八戸が来季J3に昇格。一方でJ FL初参戦の女川は苦戦、地域リーグ降格が決まった。

(16)ノルディックスキーワールドカップのジャンプで小林 陵侑(土屋ホーム、岩手・盛岡中央高出)が7戦4勝。

(17)スノーボード女子ビッグエアで岩渕麗楽(バートン、 岩手・一関学院高)が平昌冬季五輪4位などの活躍。

(18)仙台育英高出の2人が東北楽天入り。ヤクルト退団の 由規投手と、巨人からは金銭トレードの橋本到外野手。

(19)高校野球の学法石川(福島)監督に前仙台育英監督の 佐々木順一朗氏が就任。古豪復活を託され采配を振る。

(20)高校バスケットボール男子の能代工(秋田)を全国の 強豪に育てた元監督加藤広志さんが80歳で死去した。


2018年12月28日金曜日


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