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<平昌五輪>羽生、SP首位 4ヵ月ぶりの実戦「やるべきことやる」謙虚に

男子SPで圧巻の演技を見せ、首位に立った羽生=16日、韓国・江陵(写真部・川村公俊撮影)

 絶対王者に常識は通用しないのかもしれない。羽生は4カ月ぶりの実戦で完璧な演技を見せた。決めポーズの後は、満足そうに自分に拍手を送った。
 自身の持つ世界歴代最高得点にあと1.04点。「得点については何も思わない。まだフリーがある」。4年前のソチ大会はSPで史上初めて100点越えを果たした後、フリーでミスしている。取材エリアに来た時には、既に表情は引き締まっていた。
 4年前と違って追われる立場だ。今季の演技の基礎点はチェンや宇野が勝っている。彼らには技の精度や表現面で上積みの余地もある。
 誰よりも負けず嫌いの羽生がどう平昌に臨むのか。既にあらゆる項目が満点に近い。さらに得点を伸ばすには4回転の種類を増やし、基礎点を上げるしかない。その代償が、昨年11月の右足首の故障だった。
 SPは故障の原因となったルッツだけではなく、ループも封印した。4回転はサルコーとトーループ。種類はソチと変わらない。「今のコンディションでできることをやった」。4人が100点を超えてきたが、完成度の高さで羽生が頭一つ抜けた。それこそが絶対王者の強みだった。
 試合勘は鈍っていたはずだ。それでもここぞという場面で結果を残すことができる。宮城・東北高の先輩でトリノ大会金メダルの荒川静香さんは、羽生の本番の強さをこう説明する。「運を引き寄せ、普通のアスリートが逃すチャンスをつかむ力がある。鍛えて培えるものではない」
 66年ぶりの2連覇にぐっと近づいた。「特にチャンピオンになりたいとか言うつもりはない。やるべきことをしっかりやりたい」。自分に言い聞かせるように、最後まで謙虚な言葉を紡いだ。(平昌=佐藤夏樹)


2018年02月17日土曜日


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