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<奥州市長選>告示まで1週間 地域自治区廃止決定、混迷今も

自治区廃止で住民参加のまちづくりの拠点となる地区センター

 任期満了に伴う奥州市長選(3月4日投開票)は、25日の告示まで1週間となった。2006年の5市町村の合併から12年。3月末には旧市町村単位で設置した地域自治区が廃止される。「奥州は一つ」と一体感醸成に懸命の現市政に対し、周辺部には「均衡ある発展」を求める声も根強い。トップの力量が問われる局面だ。(北上支局・布施谷吉一)
 五つの自治区は新市発足後、設置された。当初は合併から10年が経過した16年に廃止される予定だったが、市議会の反対で設置期間を延長。昨年3月には委員会レベルでいったん決議した存続が、本会議で覆り廃止が決まった。
 市長選と同時選となる市議選の立候補予定者を招いての「政見を聴く会」でも、市議候補の見解は「合併効果が見えない」「地域の歴史をもっと考えるべきだ」とさまざま。今なお存廃の是非を巡る議論が続いている。
 聴く会を主催したNPO法人いわて未来政策・政経研究会の相原正明会長は「どうしても公共施設は人口の多い水沢区に建てられる。性急に地域づくりを進める必要はないのではないか」と提起する。
 市政課題に住民意見を反映させようと、自治区単位で設置された地域協議会も廃止となる。それに合わせて市は、市内30地区の振興会(自治会)と情報共有を図る「奥州地域会議」の新設を打ち出した。
 しかし、江刺区のある振興会長は「従来も市と振興会の話し合いの場があり、新たに会議をつくる必要があるのか」と疑問視。「合併以来、市役所に集約してきた行政サービスを(旧市町村単位の)総合支所に戻す施策に力を入れてほしい」と注文を付ける。
 それでも市は18年度、地区センターの運営を振興会に任せるなど行政と市内30地区が直接結び付く形の自治体経営にかじを切る。
 水沢区では地域自治の担い手となる地区センター関係者が「声なき声を吸い上げて活動を活発にしたい」と意欲的。「市内でいつまでも角を突き合わせていても奥州は良くならない」と前を向く。
 市長選には、いずれも無所属で、3選を目指す現職の小沢昌記氏(59)、ともに新人で元市議の佐藤邦夫氏(70)と佐藤洋氏(63)が立候補を予定している。


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2018年02月18日日曜日


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