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<問う論じる 改憲の行方>(1)自衛隊 位置付け明確に

<ねもと・たくみ>福島県郡山市出身。東大経卒。衆院福島2区。建設省(現国土交通省)を経て93年初当選し、通算8回当選。首相補佐官、復興相などを歴任。昨年9月から現職。

 憲法改正を巡る論議が、2018年政局の焦点となっている。昨秋の衆院選で改憲に必要な3分の2議席を維持した安倍晋三首相は、年内の国会発議も視野に入れる。問われるべき憲法観、論じられるべき争点は何か。インタビューシリーズの序として、東北にゆかりのある与野党論客に聞いた。

◎自民党憲法改正推進本部事務総長 根本匠氏(66)

 −党は昨年末の論点整理で、改憲を目指す4項目を示した。

<意識成熟の証し>
 「かつては9条を中心に護憲か改憲かイデオロギー論争に終始していた。近年は衆参両院に憲法審査会が設置されるなどして環境が整ってきた。昨今の日本を取り巻く情勢に鑑み、国民に問うべきテーマと判断したのが自衛隊、緊急事態条項、合区解消・地方公共団体、教育充実の4項目だ」

 −日本世論調査会の昨年12月の調査によると、55%が改正の「必要がある」と答えたが、安倍首相の下での改憲に53%が反対した。

 「憲法は決して不磨の大典ではなく、改正すべき点があれば改正すべきだ。半数以上が改正の必要性を示したのは、改憲の意識が成熟してきた証し。改憲はあくまで国会が発議する。政府ではなく国会が国民の理解が得られるよう努力する。発議の時期に関して日程ありきという考えはない」

 −9条については戦争放棄の1項、戦力不保持などを定めた2項を維持し自衛隊を明記する首相案と、「国防軍」創設を盛り込んだ2012年党改憲草案をベースに2項を削除する案の両論併記となった。

<緊急条項も検討>
 「自衛隊は日本の平和と安全、国民の生命と財産を守る上で不可欠。憲法上、ふさわしい位置付けを与えるべきだとの認識は党内で共有している。意見を集約する際には、国民理解が得られる現実的な案かどうかという視点が重要だ」

 −緊急事態条項の新設を巡っては首相への権限集中や私権制限が検討対象で、野党は批判する。

 「権限集中や私権制限ありきでの検討ではない。日本では災害対策基本法、国民保護法など緊急事態に対応する法制度は整備されている。これらと比較しながら憲法に緊急事態条項を入れるべきかどうか、憲法を変えなければできないことは何かを検討する」
 「憲法を変えないとできないのは国会議員の任期延長だ。東日本大震災の際には地方議員任期を特例法で延ばしたが、国会議員は憲法への規定が必要だ」

 −党内には参院選「合区」を解消し、改選ごとに各都道府県から最低1人を選ぶ意見が多いが、他党への広がりに欠ける。

<合区広がり懸念>
 「16年参院選では合区になった鳥取、高知は投票率が過去最低だった。合区になった地域は政治への関心が薄れる。さらに広がれば、地方の声は国に届かなくなる恐れがある。都道府県は住民意思を集約し、反映する政治的まとまりとしての意義と機能がある」

 −論点整理では教育「無償化」の明記がなかった。

 「無償化は一つの政策手段。教育の重要性を理念として憲法に明記するのが最も大切であり、その趣旨に沿って考えれば国家百年の計たる『教育充実』と表現するのが適当だ」(聞き手は東京支社・小木曽崇)


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2018年02月11日日曜日


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