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<震災7年>震災関連文書、散逸の恐れ 被災3県沿岸市町村の半数近くが特別措置なし

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の沿岸37市町村のうち、半数近い16市町村が震災関連文書について全量保存といった特別な措置を講じていないことが、河北新報社が行ったアンケートで分かった。公文書は通常、保存年限が過ぎると廃棄される規定になっており、後世に残すべき資料の散逸が懸念される。
 37市町村の対応は表の通り。特別な措置を取っていない市町村は岩手が宮古市など7、宮城は気仙沼市など6、福島は相馬市など3だった。アンケートでは「通常の規定通り」または「各課の判断で保存期間を延長している」と答えた。
 全量保存の8市町村のうち福島県大熊、富岡町は今後整備するアーカイブ施設での公開を検討中。南相馬市は「原発事故の賠償対応が目的」として電子データで全量保存する。宮城県女川町など3市町は歴史的に重要な文書を残す基準を作り、選別作業に入った。
 一部に保存措置を取った7市町村のうち、釜石市は2011年度の文書だけを全量保存、石巻市は紙資料の一部をデジタル化、いわき市と福島県楢葉町は「原発事故の賠償に関する文書を保存」と答え、ばらつきが目立つ。
 地方公文書館の設置を提唱している宮城学院女子大の平川新学長(歴史資料保存学)は「震災後の対応を検証できるよう原資料を保存しておく必要がある。当面は廃棄を止めて全量保存すべきだ」と求める。
 アンケートは1月下旬〜2月下旬、37市町村の文書担当課に質問票を送付。一部は直接聞き取り、全市町村から回答を得た。

[震災関連文書]復旧・復興に携わる多様な部局で作られる。内閣府は2012年、国の各機関に「他の文書と区別し、重要な文書は国立公文書館に移す」と通達。岩手、宮城、福島3県は保存期間延長などの措置を取った。市町村の場合、被災証明、避難所の記録や仮設住宅の図面など住民に身近な情報が多い。


2018年02月25日日曜日


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