広域のニュース

<東日本大震災>被災農地「営農可」87% 原発事故が拡大の壁に 17年度

巨大津波の爪痕が残る仙台平野。中央の仙台東部道路を境に、作付けの進んだ水田と除塩が完了していない農地がくっきり分かれる=2012年7月、仙台市若林区六郷地区

 東北農政局は、東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島3県の農地計1万9010ヘクタールのうち、2017年度末までに87.0%の1万6530ヘクタールで営農可能な状態になるとの見通しをまとめた。前年同期比で710ヘクタール(3.7%)増にとどまる。東京電力福島第1原発事故の影響が色濃い福島の営農再開が面積拡大の壁になっている。
 県別では宮城が350ヘクタール増の1万3470ヘクタールとなり、被災農地の98.2%で営農を再開、または可能な状態になる。17年度は岩沼市、亘理町での圃場整備などが完了した。
 岩手は新たに10ヘクタール増え、全体の91.2%に当たる520ヘクタールで営農ができるようになる。残る50ヘクタールはほとんどが陸前高田市の農地。土地かさ上げに伴う宅地の区画割りが進んでおり、その後に農地の区画が決まる見通しだ。
 福島では、原発事故に伴う避難指示が解除された市町村などで新たに350ヘクタールが復旧。営農可能面積は2540ヘクタールとなるが、被災農地全体の53.7%にとどまる。南相馬市など浜通りの1860ヘクタールで今後、営農再開が可能になると見込む。
 避難指示が解除された10市町村では住民の帰還やインフラの整備が進まず、担い手不足もあって営農再開が遅れている。避難指示区域の330ヘクタールは先行きが見通せない状態が続く。
 3県別に16年の農業産出額をみると、岩手は震災前(10年)を322億円、宮城は164億円それぞれ上回った。一方、福島は253億円下回り、販路回復や風評払拭(ふっしょく)が進んでいない。
 木内岳志東北農政局長は「被災地の農業の持続可能性を高めるためには担い手の確保が重要だ。法人化や大区画化を進め、農業を伸ばすきっかけにしたい」と話す。


2018年02月25日日曜日


先頭に戻る