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<震災7年>被災地首長アンケート(4)復興庁の評価

東日本大震災からの復興が進む街並みを朝日が照らす=2017年3月、岩手県大槌町

 東日本大震災、東京電力福島第1原発で被害を受けた岩手、宮城、福島3県の42市町村の首長を対象に河北新報社が実施したアンケートで、復興庁事業の評価に関する設問の自由記述への回答は以下の通り。

■■■設問 復興庁のこれまでの事業立案・執行は適切でしたか(かっこ内は選択した回答)。■■■

【岩手県】

◇普代村(ほぼ適切)
 復興庁職員の迅速な対応などにより、壊滅的状況に至った本村の水産業も再生することができた。

◇田野畑村(ほぼ適切)
 被災地の希望をかなえたいと十分に助言・協力をしていただいた。一方で復興庁側の人事異動が多く、そのたびにレクが必要になり手間がかかった。

◇大船渡市(ほぼ適切)
 国などの支援により、当市復興計画は着実に進展したと認識している。

【宮城県】

◇南三陸町(ほぼ適切)
 必要に応じた事業立案、特例措置を検討いただいている。

◇女川町(ほぼ適切)
 これ以上新規事業を採択することは難しいので、決定している事業の財源担保と省庁間調整。また、復興で作られた各種制度を有意義に運用していく(無駄にさせない)ために、特区的な取り扱いなどを積極的に後押しする(社会実験をどんどん導入する、規制緩和など)取り組みを期待したい。

◇七ケ浜町(ほぼ適切)
 東日本大震災復興特別区域法に基づく、復興交付金制度の創設により地方財政負担が緩和され、迅速な復興事業に取り組むことができたと評価される。

◇塩釜市(ほぼ適切)
 復興庁においてはこれまで、復興事業の実施に係る指導、助言を頂いているが、被災地での個別の事情についての予算措置や人的支援など、適切な執行を行っていると感じている。

◇多賀城市(適切)
 復興交付金などの補助率が高い財源支援措置を実施したことから。

◇仙台市(ほぼ適切)
 復興交付金制度など、被災の実態を踏まえた制度を構築していただき、その運用に際しても、被災自治体の実情に合わせ、できる限り柔軟に行っていただいている。

◇岩沼市(ほぼ適切)
 被災地への財政支援や制度の弾力的な運用などについては、スピード感を含め不十分だと感じる点があるが、おおむね被災地の事情を考慮して対応していただいた。


【福島県】

◇新地町(ほぼ適切)
 事業に対する制限があり、使い勝手がよくない面があった。事業承認までの時間がかかりすぎる。

◇浪江町(ほぼ適切)
 引き続き、被災住民の目線でスピード感がある対応を望む。

◇双葉町(ほぼ適切)
 各種調整を担っているが、最終的には自治体と国の各機関との直接調整を要するため。

◇大熊町(ほぼ適切)
 復興事業に特化した国の機関の存在は大きい。特に原子力災害からの復興については長期的・広域的な復興計画が必須であり、総括的な役割を果たしていると思う。

◇富岡町(ほぼ適切)
 交付金・補助金については、手厚く幅広い支援が充実している半面、「地震・津波被害」と「原子力災害」に区別した財源が入ることによる精細な管理が必要となることから、事務が非常に増加・煩雑化している。

◇田村市(ほぼ適切)
 被災地の現況が各々異なることからすり合わせは必要だが、事業内容はおおむね適切。また復興支援の総合窓口として、各省庁、県なども含め連絡調整に努めていただいており執行も適切。

◇広野町(ほぼ適切)
 地震・津波・原子力災害の複合災害からの復旧事業は関係省庁との調整を含めて適切に対応いただいた。復興期においては住民の生活再建や心の復興に寄与する事業、町の振興につながる復興事業について財源を確保するとともに、適宜助言を頂いた。一方、国からの交付金や補助金が使いにくいものがあり、また条件が厳しいものも見受けられたため、より被災地や被災者目線で取り組んで頂きたい。

◇いわき市(ほぼ適切)
 東日本大震災復興交付金制度や福島再生加速化交付金制度、復興特別区制度など多岐にわたる復興関連事業の国の窓口として、本市の復興について、さまざま支援を頂いてきたところである。

■■■設問 政府は2020年の復興創生期間後の復興庁の後続機関の在り方について検討を進めています。どのような後続機関が望ましいですか。(自由記述)■■■

【岩手県】

◇久慈市
 まず、2020年までに復興を完了させることが重要であると考えるが、その後の在り方については、その地域や被災の形により継続する課題はさまざまであると思われる。そういった被災地からの課題をきちんと集約し、継続して課題解決に対応できる後継機関が望ましい。

◇普代村
 復興庁の役割を継続して行う機関が必要と考えられる。

◇田野畑村
 地方自治体職員が国の職員と直接相談しながら復興事業に取り組めることは、被災自治体にとって心強い。規模は小さくなっても気軽に相談できる現在のような体制(岩手振興局を残す)を継続してほしい。

◇岩泉町
 府省と同列の後継組織が望ましい。

◇山田町
 国、国民の多大な支援に感謝している。本町が目指しているコンパクトで安全な町づくりがおおむね完了しようとしているが、人口減少に拍車がかかり、少子・超高齢化が進み、自主財源の確保、増加する費用への対処が厳しくなる。2020年をもって被災地への支援を終えることなく、被災由来の課題にも目を向けていただきたい。

◇釜石市
 自治体の復興完遂を最後まで補完する機関。

◇大船渡市
 県・市町村の多数の復興事業の中で、復興期間以降も事業が行われるであろうものが見え始めている。復興期間終了後は、そのような案件に限定して、復興庁を縮小してはどうかと思う。

【宮城県】

◇気仙沼市
 復興事業の残りと復興事業に関係して発生した課題を解決する機関

◇南三陸町
 事業完了後の精算をスムーズに行えるよう、復興交付金制度に精通した後継機関を望みます。

◇石巻市
 被災者支援総合交付金の交付延長、災害援護資金貸付制度の見直し、二重債務問題など引き続き国の力強い支援が不可欠。

◇東松島市
 復興庁の2020年の閉庁を念頭においた政策を行っており、ハード事業(買い上げ元地の整備に難はあるが)は復興期間内の完了がおおむね可能と判断している。しかし、心のケアや雇用環境の整備といったソフト事業は被災の大きさもあり、時間がかかるものと考えている。また、少子高齢化対策や地方創生施策などの課題も合わせて施策展開している。このような復興事業と国策としての課題が総合的に解決できるような対応を望むものである。

◇七ケ浜町
 2020年の復興創生期間での事業完了を目指して、迅速かつ丁寧な復興事業に取り組んでいるが、移転元地(従前地買い取り地)の将来的な利活用や被災者の心の復興(ケア)など、時間を要するものも多々あるため、具体案はないが継続機関が必要と感じている。

◇塩釜市
 被災地における地域ごとの事情により、復興事業の進捗(しんちょく)が予定より遅延する可能性があることから、事業期間や予算措置についてより柔軟に対応できる後継機関が望ましい。

◇多賀城市
 災害公営住宅家賃低廉化事業など制度上、平成32年度までに完了しない事業もあることから、平成33年度以降も引き続き震災からの復興に対応する適切な組織の検討を望む。

◇仙台市
 福島県はもとより、宮城・岩手各県の復興状況を踏まえ、引き続き支援を担うことができる態勢としていただきたい。

◇名取市
 機関よりも復興創生期間を超えて処理すべき案件が残った場合の補助制度を確立してもらいたい。

◇岩沼市
 東日本大震災に限らず災害対応・対策に当たる横断的な省庁を新設。

◇亘理町
 現実的には各省庁への引き継ぎ。

【福島県】

◇飯舘村
 原発事故からの復興には時間を要することを踏まえた被災地に寄り添った機関。

◇双葉町
 地元に根差した国のワンストップ窓口。

◇浪江町
 2020年以降は岩手、宮城の復興事業は一区切りつくと思われるので、原発災害の復興に特化した(重点を置いた)後継機関の創設が望ましい。

◇大熊町
 他自治体が復興を成し遂げていく中、国の体制が先細りとなるのはやむを得ないが、引き続き、自治体の避難状況・復興状況に合った事業立案、執行を行う機関の設置をお願いしたい。

◇富岡町
 昨年4月1日に帰還困難区域を除いて避難指示が解除され、ようやく、震災後7年目にしてふるさとの地で腰を据えた本格的な復興へのスタートを切ったところであり、国には復興創生期間後においても、町の現状に応じた支援の継続をお願いする。

◇田村市
 現状の総合窓口機能を維持継続し、復興の時間軸が異なるおのおのの被災地への対応と、被災地域全体の総合的なバランスを見ながら支援を行い、復興後の自立した地域運営にスムーズに移行できるよう、組織構成、財源措置に配慮をお願いしたい。

◇楢葉町
 被災地が策定した復興計画を着実に実施できるための財源・体制が確保されていること

◇広野町
 復興創生期間内に全ての復興事業が終了することは非常に難しく、特に原子力災害に見舞われた当地域は、全町避難からの帰町・復興の道半ばであり、町の復興と同時に被災者の生活再建が成し得なければ、真の復興とは言えない。よって復興庁の継続もしくはこれに代わる組織や機関を新設し、そこで現在の復興庁が担う責務と実務を継続してほしい。

◇川内村
 復興創生は道半ばであり、被災地の復興を中長期的に担う権限の強い復興推進体制を継続する組織。

◇いわき市
 原子力災害の真の克服に向けて、原子力災害の被災者や被災地の抱えている課題を、国として直接把握し、被災自治体と連携を密にして、課題の解決に取り組むことができる体制の構築が必要です。


2018年02月28日水曜日


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