広域のニュース

<震災7年>被災地首長アンケート(2)風化

薄暮に浮かぶ福島第1原発=2016年2月

 東日本大震災、東京電力福島第1原発で被害を受けた岩手、宮城、福島3県の42市町村の首長を対象に河北新報社が実施したアンケートで、風化に関する設問の自由記述への回答は以下の通り。

■■■設問 震災の風化を実感する具体的なケースがあればお教えください。■■■

【岩手県】

◇田野畑村
 被災地への訪問者が激減している。津波語り部の利用者の減少が続いている。

◇岩泉町
 全国からのボランティアの減少。住宅再建などが進み、徐々に通常生活に戻りつつある中、震災の話題がなくなってきていると感じる。

◇釜石市
 震災に関するメディアの報道がマンネリ化(毎年3月11日前だけ取材が集中するなど)していること。

【宮城県】

◇七ケ浜町
 丸7年経過すると、小中学校の先生の転任などにより、震災当時の思いや様子を折にふれて伝えてくれる人がいなくなっている。

◇仙台市
 全国ニュースでの報道量が減じているなど、時間の経過とともに全体としての風化の兆しを感じるところがある。今後、多くの方々の住まいと生活の再建が進んでいく中で、被災地においても震災の風化が進むことも懸念される。

◇亘理町
 首都圏をはじめ各地を訪れた際の印象。

【福島県】

◇浪江町
 研修で訪れる方々(東北からの方も含め)が浪江町の現状を実際に見た時、報道などで知っている状況(恐らく津波被災地の復興)との違いに驚かれる(もっと復興していると思っておられる)。
 震災の風化により、浪江町の実際の様子は世間に伝わっていないと感じる。

◇双葉町
 メディア、マスコミなどでの震災・原発事故関連の取り扱いの減少。
 国に要望に行っても対応に変化が見られる。

◇富岡町
 首都圏を含む県外はもとより、県内においても、帰町開始後においては原発災害被災地を取り扱う報道が少なくなった。各団体などから町内復興状況などの視察を受け入れているが、その際に「予想以上にひどい状態だった」「帰町を開始したのに、なぜ帰らないのかと思っていた」などの声が聞かれる。

◇広野町
 首都圏などのテレビニュースや新聞紙面で被災地の状況が報道される機会がほとんどなくなった。広野町への来訪者(行政・民間など)が少なくなってきており、風化を感じる。

◇川内村
 時が経過すれば記憶は薄れるが被災地・被災者は例外である。被災3県以外の方々と話していると感じられる。国などの機関もそう感じる。

◇いわき市
 市民アンケートの結果からも、減災・防災に対する意識が低くなってきていることから。

■■■設問 これまでの東日本大震災に関する報道について、以下の項目についてどのように思いますか。(自由記述)■■■

【岩手県】

◇大槌町
 各報道機関において、震災からこれまで、さまざまな視点での報道により、全国から数々の支援を頂きました。今後においても、当町のみならず、引き続き、住民の支援となるような報道と震災の伝承をお願いしたい。

【宮城県】

◇女川町
 総体的に「メディアは伝えたいことだけ伝える」という恣意(しい)的報道を見続けた7年間でした。(それはそれで気づかされたこともあります)

◇仙台市
 報道の内容やその受け止め方はさまざまであり、一概には言えないものと思う。

◇山元町
 本町ではおかげさまで、JR常磐線の運転再開やその他公共施設の開所など、全国からのご支援を復興という形で情報発信する機会が多かった。しかし、今後、震災を風化させないためにも、報道機関の果たす役割は非常に大きい。全国的に災害が多発する中で、過去から学ぶべきこと、先進的な取り組みなどは積極的に発信すべきだと思う。

【福島県】

◇浪江町
 福島県内と全国版とでは評価は変わるだろう。
 特に全国版では津波被災地における復興関連の報道が多く、原発被災地での復興の状況は正しく伝わっていないのではないか。
 被災地の復興した部分、まだまだ手付かず(手が付けられ始めたばかり)の部分、復興してきたことで見えてくる不足(復興できていない部分)「例 買い物環境、医療環境」といった混とんとして複雑な状況を偏りなく正しく報道してほしい。

◇いわき市
 全ての関連報道について、その取材過程や報道内容などについて、認知、評価、分析しておりませんので、回答が困難です。


2018年02月28日水曜日


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