広域のニュース

<震災7年>被災地首長アンケート(1)東京五輪

旧国立競技場から貸与されている聖火台。東京五輪関連イベントで火がともされた=2017年7月、宮城県石巻市の市総合運動公園

 東日本大震災、東京電力福島第1原発で被害を受けた岩手、宮城、福島3県の42市町村の首長を対象に河北新報社が実施したアンケートで、東京五輪に関する設問の自由記述への回答は以下の通り。

■■■設問 東京オリンピックは被災地の復興に役立つと思いますか(かっこ内は選択した回答)。■■■■■

【宮城県】

◇仙台市(役立つと思う)
 ただし、各関係機関が国内外への復興情報の発信や被災地へのインバンドなどにつながるよう取り組むことが必要。

■■■設問 「復興五輪」のあるべき姿の実現に向けて必要なことについて、ご意見をお聞かせください。■■■■■

【岩手県】

◇久慈市
 オリンピックにより復興そのものが遅れることがないよう対策を講じることを前提とし、これまでの復興の歩みと感謝の思いを伝えるとともに、インバンド誘致など、被災地への経済効果策なども必要と考える。

◇普代村
 東日本大震災からの復興を後押しするとともに、復興した姿を世界に発信する。聖火リレーの被災地横断や、五輪参加選手の宿泊場所などで被災地へ五輪参加者を誘致する。これで復興五輪を被災地でも実感できるとともに世界へ復興をアピールできる。

◇田野畑村
 三陸の被災地が元気になることが必須であることから、全市町村が何らかの形で関わる、携わることを希望する。

◇釜石市
 東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う、復興まちづくりの工事施工における人材、資材不足の発生などが懸念される面もあるが、世界中から頂いた支援に対して感謝を表明する場とすること、また、さらなる被災地の復興・地域の創生へとつながるものとすることを目指すべきである。
 そのためには、開催の時まで着実に復興を進展させること、また「スポーツの力」による社会的・経済的な効果が被災地へも波及するような仕組みを構築することが必要である。

【宮城県】

◇気仙沼市
 支援を頂いた世界中の人に復興の姿をお見せする。被災地へインバウンドの流れをつくる。

◇南三陸町
 復興が急がれる中、並行して被災自治体にどのような役割が求められているのかが分かりません。

◇石巻市
 復興支援に対する感謝の意を込めて、情報発信する機会と捉えており、聖火リレー出発地誘致や事前キャンプ地誘致などに取り組んでいる。

◇女川町
 20年東京大会が「復興」五輪という位置づけに「も」なったのは、大震災による世界中からの支援に対しての感謝として被災地の復興後の姿を示していきたい、ということだと思うが、あくまで「東京」五輪であって、決して「被災三県」五輪ではなく、それは一側面である。いい意味での利用・活用を考え努力するのは本来当事者側であって、インバウンドでの観光振興などを狙って組織委他の他主体へ過剰に期待するのは方向違いでは、と思う。

◇東松島市
 被災地としてできることは積極的に取り組みたいと考えている。そのためには受け入れの環境(制度)整備、人や財源の確保などの対応を行うとともに、国にも要請していきたい。

◇塩釜市
 被災地でより多くの競技を開催し、復興状況が世界に発信されることが、防災意識の醸成や被災地の活性化につながり、被災地の住民が競技関係者や観客との交流を通じて、郷土愛や復興への意欲がさらに高まると考える。
 その実現には、復興五輪の理念を被災地の住民が賛同し、共有できるものとするとともに、競技の開催に協力し、十分な交流が行えるよう被災地住民の理解を得ることが必要。

◇七ケ浜町
 今回のオリパラは東京都のみで行われるイベントの印象が強く、地方、とりわけ被災地には関係がないと感じている方が多いと思います。復興五輪を掲げるのであれば、被災地においても、もっと身近なものだと実感できる取り組みが中央組織や東京都には必要ではないかと思います。

◇仙台市
 スポーツを通じて、被災地の人々に感動を届けるとともに、国内外への復興情報の発信や被災地へのインバウンド強化を図るなど、大会がもたらすポジティブな影響が被災地にもたらされるよう取り組む必要がある。

◇名取市
 何とも言えない。

◇岩沼市
 東京五輪の開催により、被災地が求める真の復興に向けて弾みが付くこと。

【福島県】

◇川俣町
 県のリーダーシップ、被災地における聖火リレーの実施。

◇双葉町
 復興が進む姿の発信による風評被害の払しょく。

◇大熊町
 自治体により温度差があると感じる。積極的に参画したいと考えている自治体をサポートするような態勢の強化が必要ではないか。

◇富岡町
 具体的な取り組みに向けた情報・課題の共有。

◇田村市
 被災地をスポーツの力で元気にする。復興に向かう姿を世界に発信する。震災後に世界中から応援を頂き、ここまで復興したことに感謝の気持ちを表す機会があれば良いと思っている。
 また、海外から見ればいまだ日本全体が被災したという見方が根強くあると推察されることから、東北に限らず日本中で大丈夫だということを示す機会になれば良い。
 被災、復興を前面に出すよりも、アニメやおもてなしなど世界で認められている日本の良さを生かした大会運営を心掛け、オリンピックが大成功するよう努めるべきだ。

◇広野町
 東日本大震災や原子力災害、近年発生している全国的な自然災害からの復興が、力強く進められていることをアピールする絶好の機会である。特に原子力災害がもたらした世界的な風評や誤解を解消し、元気な福島・日本を世界に発信できる機会として捉え、平和の象徴である五輪を通して、スポーツの力で被災地に力を与える。
 当町は原子力災害による全町避難から帰還を成し、未来創造に取り組み、原子力災害からの新たな共生社会の創出に歩むところ、世界に向けて被災地や被災者が元気に頑張っている姿を発信したい。
 そのために、被災地での五輪種目開催や強化合宿地などの誘致を積極的に進めるとともに、選手村で提供される食事の食材に被災地産のものを使って安全性を訴える。また、被災から復興までの道のりが分かるパネル展示をするなどして、正しい理解を求める。

◇川内村
 復興五輪と位置付けられていることから、世界へ被災地復興の姿を見て感じてもらう。

◇いわき市
 東京2020大会後も被災地復興が継続していく仕組みづくり(観光客誘客策など)やホストタウン登録国との交流継続に対する財源確保など、東京2020大会レガシーにつながるような国などによる取り組みが必要である。

■■■設問 ホストタウンに「申請した」「申請予定」「申請を検討中」と回答された方にお伺いします。それはどのような概要ですか(かっこ内は選択した回答)。■■■■■

【岩手県】

◇田野畑村(無回答)
 申請を検討する段階ではない。受け入れ態勢、必要キャパなど不明な点が多く検討まで至っていない。

◇宮古市(申請した)
 シンガポールとの交流。

◇大船渡市(申請した)
 東日本大震災発生直後から現在に至るまで、アメリカ合衆国国民から受けたさまざまな支援に対し、感謝の気持ちを伝え、当市の復興の現状をお知らせする契機とする。また、広く市民が事業に参画することで、国際社会に対応した人材育成に資するよう取り組む。

◇釜石市(申請した)
・受けた支援
 (1)震災当時、釜石シーウェイブスRFCに所属し、後にラグビーオーストラリア代表となったスコットファーディー選手は、大使館からの避難勧奨を断り、釜石市のためにボランティアとしてチームメートとともに救援物資の集積場で物資のつみおろしや搬送作業に当たっていただいた。
 (2)国内の姉妹都市である愛知県東海市を通じて、中学生の海外体験学習事業として平成26年からビクトリア州マセドンレンジズ市に釜石市の中学生を受け入れていただいている。
・取り組もうとする事業
 (1)スコット・ファーディー選手らオーストラリアのラグビー関係者を釜石に招き、ラグビーを通じて市民、関係者との交流を図る。
 (2)中学生の海外体験学習事業を行っているマセドンレンジズ市の生徒を招き、感謝の気持ちを伝えるとともに、市内で最も被害が大きかった鵜住居地区に整備する祈りのパークなどの見学を通じて、震災と復興の現状を伝える機会を設ける。

【宮城県】

◇石巻市(申請を検討中)
 相手国を現在検討中

◇東松島市(申請した)
 震災を契機とし交流があるデンマーク王国との「復興を通じた交流」の継続と、オリンピックにおけるデンマーク選手への応援、競技終了後の本市での交流について計画している。

◇仙台市(申請した)
 既存のホストタウン事業の枠組みにおいて実施している青少年交流事業などの中で、震災・復興情報の発信を行う。また、主に東京大会終了後、津波被害を受けた学校の生徒などとの交流事業や、イタリア政府関係者などを招いた防災環境の推進に関するシンポジウムなどを開催する予定である。

◇名取市(申請を検討中)
 検討中。

◇亘理町(申請した)
 東京オリンピックに向け、復興に関わった関係者との交流、アスリートを招いた交流・応援など。

【福島県】

◇相馬市(申請を検討中)
 東日本大震災時に支援いただいた各国の出場選手や家族を招き、歓迎慰労会を開催。また出場競技を通して子どもたちを中心とした交流を検討している。

◇南相馬市(申請した)
 ジブチ、米国、台湾、韓国。

◇飯舘村(申請した)
 震災前に交流のあったラオス国。

◇田村市(申請を検討中)
 姉妹都市提携を結んでいるアメリカ合衆国オハイオ州マンスフィールド市から震災直後、支援物資や励ましのメッセージが寄せられ、大きな支援を得たので、改めて東京五輪開催を契機に、現在中学生海外派遣研修事業を継続中であるが、それとは別に何らかの交流ができないか検討中。

◇川内村(申請を検討中)
 震災後本村に進出した企業がタイと関わり交流を深めていただいている。復興に支援していただいたタイの皆さまと交流したい希望あり。

■■■設問 ホストタウンに「申請しない」「その他」と回答された方にお伺いします。その最大の要因は何ですか(かっこ内は選択した回答)。■■■■■

【宮城県】

◇七ケ浜町(その他)
 人手・財源不足、諸外国誘致のノウハウがないのに加え、経費をかけて誘致活動を行っても相手から断られるリスクがあり誘致に踏み切れない。

◇松島町(申請しない)
 受け入れが困難であるため。

◇利府町(その他)
 競技会場として予定されており、その対応が優先と考えている。

◇岩沼市(その他)
 一般のホストタウンでの申請を検討。

◇山元町(申請しない)
 五輪の受け入れ態勢の整備よりも復興事業の完遂を最優先とするため。

【福島県】

◇浪江町(その他)
 避難指示が解除されてから1年余りしかたっておらず、復興はこれからであり帰還町民もまだ少ない。

◇双葉町(その他)
 避難指示が継続しているため。

◇大熊町(その他)
 町が避難指示区域であるため。

◇いわき市(その他)
 サモア独立国とのホストタウン交流に傾注するため。


2018年02月28日水曜日


先頭に戻る