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<震災7年>被災地首長アンケート 被災者の心のケア課題

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計42市町村長に河北新報社が行ったアンケートでは、自らの市町村の復興度合い「復興度」は、「70%」以上の認識を示した首長は31人(前年調査21人)で全体の73.8%に上った。この1年で復興が着実に進んでいることがうかがえる。原則10%刻みで聞いた「復興度」は地図横の数値の通り。岩手県普代村の100%を最高に、90%が5人、85〜80%が11人、70%が14人だった。
 前年より復興度を上げたのは岩手6人、宮城9人、福島3人の計18人。原発事故の影響が大きい福島は30%2人、10%1人と依然低い。「数値化できない」などは岩手2人、福島4人だった。
 「復興が遅れている分野」(複数回答)は最多が「農水産業」の13人。震災で失った販路の回復が課題だ。宮城県山元町は「ホッキ貝漁場のがれき処理」と答え、震災の爪痕がいまだ残る状況もうかがえる。次いで「道路・鉄道」9人、「防潮堤」「商工業」がともに8人。「その他」(14人)は東松島市や宮城県山元町が「心の復興」、岩手県山田町が「コミュニティーの再生」を挙げ、被災者ケアが多かった。
 遅れの要因は「自治体のマンパワー不足」が最多の8人。福島県沿岸を中心に7人が「原発事故」を選んだ。同県浪江町などは「その他」として「帰還住民が少ない」ことを挙げた。

◎自治体の枠を超え連携

 「将来的に市町村合併を行う考えがあるか」の設問には、「ある」は前年同様ゼロだった。「選択肢としてあり得る」「状況を見て考える」の合計は昨年の17人から2人増えて19人(45.2%)になった。「ない」は15人(35.7%)、「合併以外の選択肢を考える」が4人だった。
 合併以外の施策(自由記述)には、「公共施設の分担設置共用」(気仙沼市)、「要望活動や事務担当者レベルでの交流事業」(福島県広野町)などが挙がった。
 人口減少が著しい市町村にとって、合併に限らず、将来的に自治体の枠を超えた連携強化が必要になると認識する首長は年々増える傾向にあり、「ポスト復興」を見据えて動きが今後、現実味を増しそうだ。

◎風化を懸念92% 震災報道量に物足りなさも

 震災の風化については「感じる」20人、「多少感じる」19人で計39人となり、92.8%が懸念を示した(グラフ(左))。前年は計38人で震災の記憶風化を憂慮は高いまま推移する。その理由を探るため、今年は震災報道の在り方についても聞いた。
 設問では新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、WEBの媒体ごとに震災報道の量の適否について「情報量が多い」「適切」「不十分」「見ていない」の四つの選択肢を設けた。
 「適切」は新聞24人、テレビ21人、WEB18人、ラジオ17人、雑誌14人の順。「不十分」は雑誌20人、テレビ17、WEB、ラジオがともに16人、新聞14人の順だった(グラフ(右))。
 「報道の在り方」は「過去全般」と「直近1年間」に分けて、(1)取材の個人・自治体への偏り(2)原発事故の取り上げ方(3)センセーショナルな報道(4)節目に集中する報道(5)内容の正確さ−の5点について「適切」「問題」「分からない」の3択で聞いた。
 (4)を問題と捉えている首長は「過去全般」で14人、「直近1年間」13人でそれぞれ最も多く、特定の時期だけに集中する報道に違和感を抱く首長が多いことが浮き彫りとなった。


2018年03月01日木曜日


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