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<仙台市合併30年>泉・太白の今(中)泉 歩みだす地域/誘客へ 残された自然活用

満興寺であった座禅と精進料理体験会。地域資源を生かし観光誘客に向けた取り組みが進む

 「いつか七北田のように大きな道路ができ、人が増え、企業が集まる」
 仙台市泉区の根白石地区。1988年、旧泉市が仙台市に編入合併された当時、旧市中心部の七北田地区になぞらえ、根白石の将来に少なからぬ住民が期待を抱いた。

<「衰退の一途」>
 だが、根白石が大規模開発されることはなかった。地域シンボルの泉ケ岳(1172メートル)の麓から泉中央手前までの長さ約5キロ、幅約2キロのエリアは開発を抑制する市街化調整区域。合併後も区分が見直されることはなかった。
 「何度も行政と掛け合ったが流れは変わらなかった」と話すのは根白石商店会会長の高橋長也さん(70)。「90年代に入り当時の藤井黎仙台市長がコンパクトシティー構想を打ち出し、仙台市は拡大路線から転換した。ハード面の開発は、もう期待薄だと感じた」
 結果として根白石は開発から取り残された。2000年代、少子高齢化が加速すると、地域の将来を危ぶむ声が出始める。「このままでは地域は衰退の一途だ」。高橋さんら住民は仙台市や地域の企業などと連携を模索した。地域に残った豊かな自然や景観をPRする方法にたどり着いた。

<イベント次々>
 16年7月、泉かむりの里観光協会が発足。観光誘客による地域活性化を図る動きは加速した。協会には地元商工会や飲食店、温泉施設以外にも、根白石にほど近い泉パークタウン内の大型の宿泊・商業施設なども加わった。「一帯で周遊性を生み、都会と里山どちらも満喫できる」(協会事務局)のが売りだ。
 協会は16年夏以降、自転車で泉ケ岳を駆け上がるヒルクライム大会や泉区西部の伝統芸能を紹介するイベントなどを相次ぎ開催。観光マップを作り、地元農産物や名所を前面に体験型ツアー企画にも力を入れる。
 2月23日に開催された日帰りツアー。根白石の満興寺での座禅と地元食材を使った精進料理体験に、ホテルでのティータイムを組み入れた。平日にもかかわらず市内の20〜70代男女19人が参加し、事務局は「手応えを感じた。定期開催も検討したい」と勢いづく。
 協会の鎌田秀夫会長(65)は「根白石の豊かな自然は大きな観光資源だ。誘客を進めて泉区西部を活性化し、ゆくゆくは秋保や作並、定義といった地域とも連携していきたい」と話す。


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2018年03月02日金曜日


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