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デザイン料は物々交換で 地域の逸品発掘に新ビジネス

物々交換で受け取った商品をカフェの一角に並べる早坂さん

 宮城県大崎市岩出山のデザイン事務所「ブルーファーム」が、物々交換ビジネスを本格的に始める。農産品や加工食品の包装などのデザインを手掛ける報酬として、デザインを依頼された商品を生産者や加工業者から受け取り、独自に販売して収益を得る。商品デザインに対する敷居を下げるとともに、宮城をはじめ東北に眠る逸品に光を当て、生産者とデザイナーがタッグを組んで販路の拡大を目指す。
 物々交換の主な対象は、デザイン料が3万円以下相当の生鮮品や加工食品。デザインの対価として受け取った商品は、ブルーファームが事務所で毎週土日に開くカフェで販売する。
 物々交換は、開業した2014年から試験的に取り組んできた。社長の早坂正年さん(37)は「商品販売は依頼主とデザイナーが一丸となる関係が強い。在庫リスクを負うことにもなるが、依頼主と信頼関係を築きやすい」と、本格展開を決めた動機を語る。
 第1弾として2月10、11日に開催したカフェでは、物々交換でデザインを一新した大崎市鹿島台のイチゴ、岩出山のかりんとう、宮城県蔵王町のハーブティーなど4種を販売した。地元客でにぎわい、売り上げは通常の2倍に伸びた。
 依頼主で、地元産のもち米をまきと釜で炊いて作ったずんだ餅を製造販売する笠原餅店店主、笠原公平さん(50)=宮城県大和町=は「物々交換でデザイン料の出費を抑えられるだけでなく、商品を売ってPRしてもらえるのでありがたい」と感謝する。
 物々交換は年50件程度を見込む。審査は10年のバイヤー経験を持つ早坂さんが担当。独特の製法や珍しい作物など他にはない特長がポイントになるが、早坂さんは「最も大切なのは売りたい情熱を持っていること」と6次産業化を志す生産者らに呼び掛ける。
 連絡先はブルーファーム0229(25)5442。

◎珍しい形態/社会起業に詳しい京都産業大の大室悦賀教授の話

 デザイン事務所は通常、デザインを手掛けて終わりなので販売にも責任を持つ形態は珍しい。単なる物々交換で完結しておらず、新しいコミュニティービジネスの形にもなり得る。しっかりと商品戦略を練り、オンリーワンの商品を作れるかどうかが課題になる。


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2018年03月08日木曜日


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